2018年5月21日月曜日

酒税法改正

 私が、御前酒クラブ(御前酒のサポーター団体)の会長をしているので、お酒のことも聴かれることが多いのですが、先日、酒税法の改正でお酒の値段はあがるのか?という質問をされました。私、ビールの定義が変更になるということくらいしかチェックしてなくて、即答できなかったのです。これではいかんということで、あらためてどんな改正なのかを整理しておきたいと思います。

 昨年改正された酒税法では、種類の品目等の定義が変更されました。そして、段階を負って施行されています。

◇2017年4月施行
 (旧)連続式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)連続式蒸留焼酎
 (旧)単式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)単式蒸留焼酎
 ※平仮名標記を常用漢字化しました。

◇2018年4月施行
① ビールの麦芽比率(ホップ及び水を除いた原料の重量中、麦芽が占める割合をいい
ます。)の下限が 100 分の 50 まで引き下げられるとともに、使用する麦芽の重量の 100分の5の範囲内で使用できる副原料として、果実(果実を乾燥させたもの、煮つめた
もの又は濃縮させた果汁を含みます。)及び香味料(コリアンダーなど一定の香味料)
が追加されました。
出典:国税庁ホームページ
要するに、ビールの幅が広がりました。これにより従来発泡酒と標記されれることのあるベルギービールの一部がビールの仲間入りをします。
② 果実酒の範囲に「果実酒にオークチップを浸してその成分を浸出させたもの」が加
えられます。
③ ②の改正に伴い、ブランデーの定義が改正されます。

 酒類の品目が変更になる酒類を整理すると下表のようになります。
出典:国税庁
肝心の酒税はどうなるかと言えば、下表のように段階的に整理されていきます。これをみると、現在、ビール、発泡酒、第三のビール、その他の発泡性酒類と細かく酒税が設定されていましたが、段階的に整理されて、2026年には一本化されます。この表では解りにくいので、350mlの缶ビール・発泡酒を例にとって説明すると、221円(消費税込み、コンビニエンスストアの標準価格)のビールに今までかかっていた酒税は77円。そして8%の消費税として16円がかかっていました。ビールの小売価格に占める税負担率は、約42.2%です。同じく164円の発泡酒の場合、酒税は47円。消費税は12円で税率負担は約36.1%。そして、143円の第3のビールは酒税が28円、消費税が11円で、税率負担は約27%です。酒税が一本化されると、発泡酒類の酒税55円程度に統一されます。すると、ビールは24円安くなり、発泡酒は8円高くなり、第三のビールは28円高くなるということになります。
出典:国税庁
◇2023年10月1日から改正されるもの
 発泡酒の範囲に「ホップ又は一定の苦味料を原料の一部とした酒類」及び「香味、色沢その他の性状がビールに類似するもので苦味価及び色度の値が一定以上のもの」で発泡性を有するものが加えられます。この改正でいわゆる「新ジャンル」が発泡酒に分類されることになります。
出典:国税庁
◇2026年10月1日から改正されるもの
 その他の発泡性酒類の範囲が「アルコール分が 11 度未満」(改正前は 10 度未満)に改正されます。
 また、発泡性を有しない低アルコール分の蒸留酒類等に係る酒税の税率の特例についても改正され、2026年10月1日から、以下のとおり変更されます。
出典:国税庁

 ということで、今回の改正で、ビールの酒税が下がり、ちょっと安くなりそうですが、庶民にとってありがたい存在だった、第三のビールの値段が大幅値上げとなります。少々辛い酒税の改定だといえそうです。

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