先日、土木学会が南海トラフ地震が発生した場合の経済被害を1,240兆円とする推計を発表していました。資産被害と合わせると1,410兆円というとんでもない数字になります。
東日本大震災同様、地震そのものによる地域の破壊、津波による二次被害、工場などの生産施設や交通網の破壊などによる経済活動の低迷、震災復興には長い時間が必要なことは、7年たった東日本大震災後の復旧の状況を見れば明らかです。
武田信玄さんが考案した霞提は、連続する堤ではなく、あらかじめ間に切れ目をいれた不連続の堤防になっています。不連続点では、上流側の堤防が下流側堤防の堤外(河川側)に入り込んでいます。不連続部周辺の堤内(生活・営農区域)側は、予め浸水を予想されている遊水地で、それにより洪水時の増水による堤への一方的負荷を軽減し、決壊の危険性を少なくさせました。この霞提の優れた点として、洪水で運ばれる土砂は、もともと上流の山林で形成された肥沃な土壌であり、それをそのまま下流に流すことなく、営農区域に蓄積する機能を有したことがあげられます。近代化された視点からは、治水を単なる土木工事の対象としか見ないことが多いわけですが、農業さらに広くはエコロジーの視点を持った治水法として再評価されているのです。
私のイメージする災害に強い町は、例えば、この霞提のような発想でまちづくりに取り組むことです。南海トラフ地震は必ず起こりますし、地震がおこれば津波も発生します。津波の圧力を高い防波堤を作って防ぐという発想ではなく、津波の威力を分散したり、海岸線に緩衝地帯を設けたり、津波の力に対して力だけで対抗するのではなくて、それをうまくかわすような対策が求められている気がするんですよね。それが東日本大震災の被災地を回ってみての私の感想です。
安価な土地を求めて海際ギリギリまで宅地開発が行われたり、安易に山を切り開いて宅地造成したり、そういうことの結果が、土砂災害に巻き込まれたり、津波で流されたりといった災害の発生につながっています。
災害に強い町づくりのカギを握るのは自然との共生です。台風や大雨や地震や津波は必ずやってくるものです。こうした自然現象を人間の科学技術でねじ伏せようとしたのでは、東日本大震災の時によく流行った「想定外」の規模の自然現象が起こった時に被害が出てしまうのです。私は、自然環境をよく観察し、自然環境をうまく活用した計画的なまちづくりが必要だと思っています。
津波が予想される海岸線には小高い丘の公園を整備し、津波が来た時に海水を受けるための海水池を配したり、海岸線から一定の距離を保って宅地を整備したり、地域の自然環境を踏まえたまちづくり計画を作っていくことが求められています。
土砂災害が発生する可能性のある山の周りでは、土石流が発生したときにその被害にあわないように宅地を再整備したり、洪水の発生しやすい河川では河川敷に遊歩道や運動場を作って実質的に川幅を広げて増水に対応するとか、そういう自然をうまく生かした治水対策が必要です。
こうしたことを具体化していくためには、自治体に要求するだけではなくて、地域住民自身が自ら考え、計画づくりに参加していくことが求められます。そうでなければ実効性のあるまちづくりはできないと思うからです。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、国は地域包括ケアシステムを構築するとしていますが、国の地域包括ケアシステムで、本当に、暮し慣れた地域で、自分らしく、人生の最後を安心して迎えられるのか?そんな疑問からまちづくり研究所をたちあげ、地域にある資源をネットワークでつなぎ、不足する地域資源は地域の皆さんと一緒につくりあげて、地域に住む一人ひとりが、安心して暮らしていける、そんな地域社会づくりに取り組んでいこうと決意しました。みなさんご一緒に、とにかく何かを始めませんか!
2018年6月13日水曜日
2018年5月21日月曜日
酒税法改正
私が、御前酒クラブ(御前酒のサポーター団体)の会長をしているので、お酒のことも聴かれることが多いのですが、先日、酒税法の改正でお酒の値段はあがるのか?という質問をされました。私、ビールの定義が変更になるということくらいしかチェックしてなくて、即答できなかったのです。これではいかんということで、あらためてどんな改正なのかを整理しておきたいと思います。
昨年改正された酒税法では、種類の品目等の定義が変更されました。そして、段階を負って施行されています。
◇2017年4月施行
(旧)連続式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)連続式蒸留焼酎
(旧)単式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)単式蒸留焼酎
※平仮名標記を常用漢字化しました。
◇2018年4月施行
① ビールの麦芽比率(ホップ及び水を除いた原料の重量中、麦芽が占める割合をいい
ます。)の下限が 100 分の 50 まで引き下げられるとともに、使用する麦芽の重量の 100分の5の範囲内で使用できる副原料として、果実(果実を乾燥させたもの、煮つめた
もの又は濃縮させた果汁を含みます。)及び香味料(コリアンダーなど一定の香味料)
が追加されました。
要するに、ビールの幅が広がりました。これにより従来発泡酒と標記されれることのあるベルギービールの一部がビールの仲間入りをします。
② 果実酒の範囲に「果実酒にオークチップを浸してその成分を浸出させたもの」が加
えられます。
③ ②の改正に伴い、ブランデーの定義が改正されます。
酒類の品目が変更になる酒類を整理すると下表のようになります。
肝心の酒税はどうなるかと言えば、下表のように段階的に整理されていきます。これをみると、現在、ビール、発泡酒、第三のビール、その他の発泡性酒類と細かく酒税が設定されていましたが、段階的に整理されて、2026年には一本化されます。この表では解りにくいので、350mlの缶ビール・発泡酒を例にとって説明すると、221円(消費税込み、コンビニエンスストアの標準価格)のビールに今までかかっていた酒税は77円。そして8%の消費税として16円がかかっていました。ビールの小売価格に占める税負担率は、約42.2%です。同じく164円の発泡酒の場合、酒税は47円。消費税は12円で税率負担は約36.1%。そして、143円の第3のビールは酒税が28円、消費税が11円で、税率負担は約27%です。酒税が一本化されると、発泡酒類の酒税55円程度に統一されます。すると、ビールは24円安くなり、発泡酒は8円高くなり、第三のビールは28円高くなるということになります。
◇2023年10月1日から改正されるもの
発泡酒の範囲に「ホップ又は一定の苦味料を原料の一部とした酒類」及び「香味、色沢その他の性状がビールに類似するもので苦味価及び色度の値が一定以上のもの」で発泡性を有するものが加えられます。この改正でいわゆる「新ジャンル」が発泡酒に分類されることになります。
◇2026年10月1日から改正されるもの
その他の発泡性酒類の範囲が「アルコール分が 11 度未満」(改正前は 10 度未満)に改正されます。
また、発泡性を有しない低アルコール分の蒸留酒類等に係る酒税の税率の特例についても改正され、2026年10月1日から、以下のとおり変更されます。
ということで、今回の改正で、ビールの酒税が下がり、ちょっと安くなりそうですが、庶民にとってありがたい存在だった、第三のビールの値段が大幅値上げとなります。少々辛い酒税の改定だといえそうです。
昨年改正された酒税法では、種類の品目等の定義が変更されました。そして、段階を負って施行されています。
◇2017年4月施行
(旧)連続式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)連続式蒸留焼酎
(旧)単式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)単式蒸留焼酎
※平仮名標記を常用漢字化しました。
◇2018年4月施行
① ビールの麦芽比率(ホップ及び水を除いた原料の重量中、麦芽が占める割合をいい
ます。)の下限が 100 分の 50 まで引き下げられるとともに、使用する麦芽の重量の 100分の5の範囲内で使用できる副原料として、果実(果実を乾燥させたもの、煮つめた
もの又は濃縮させた果汁を含みます。)及び香味料(コリアンダーなど一定の香味料)
が追加されました。
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| 出典:国税庁ホームページ |
② 果実酒の範囲に「果実酒にオークチップを浸してその成分を浸出させたもの」が加
えられます。
③ ②の改正に伴い、ブランデーの定義が改正されます。
酒類の品目が変更になる酒類を整理すると下表のようになります。
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| 出典:国税庁 |
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| 出典:国税庁 |
発泡酒の範囲に「ホップ又は一定の苦味料を原料の一部とした酒類」及び「香味、色沢その他の性状がビールに類似するもので苦味価及び色度の値が一定以上のもの」で発泡性を有するものが加えられます。この改正でいわゆる「新ジャンル」が発泡酒に分類されることになります。
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| 出典:国税庁 |
その他の発泡性酒類の範囲が「アルコール分が 11 度未満」(改正前は 10 度未満)に改正されます。
また、発泡性を有しない低アルコール分の蒸留酒類等に係る酒税の税率の特例についても改正され、2026年10月1日から、以下のとおり変更されます。
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| 出典:国税庁 |
ということで、今回の改正で、ビールの酒税が下がり、ちょっと安くなりそうですが、庶民にとってありがたい存在だった、第三のビールの値段が大幅値上げとなります。少々辛い酒税の改定だといえそうです。
2018年5月14日月曜日
資料:原発ゼロ基本法案
立憲民主、共産、自由、社民の4党と無所属の会の2名が3月9日、衆院に共同提出した「原発ゼロ基本法案(原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案)」の全文を起こしました。
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原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案
目 次
前 文
第一章 総則( 第1条 第7条)
第二章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の目標(第8条)
第三章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の基本方針( 第9条 第12条)
第四章 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画(第13条)
第五章 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部(第14条 第23)
第六章 雑則(第24条・第25条)
附 則
我が国は、今次の大戦において、原子爆弾の投下により未曽有の惨禍を被ったが、昭和30年の原子力基本法の制定以来、原子力の平和的利用の名の下に原子力発電を推進してきた。原子力発電には、安全性の問題のみならず、使用済燃料及び放射性廃棄物の処分方法、労働者の被ばくの危険性等の問題がある。それにもかかわらず、発電に要する経費が安価である、二酸化炭素を排出しない、核燃料サイクルによりエネルギーを無限に得られる等の主張は、原子力発電に関する諸問題から国民の目をそらし、殊更に強調された原子力発電の安全性は、日本の原子力発電所で事故は発生しないとの安全神話を生み出した。
しかし、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故は、原子力発電に依存する経済社会の構造に抜本的な改革を迫るものとなった。当該事故による原子力災害により多数の住民が避難を余儀なくされ、放射性物質による汚染に起因して住民の健康上の不安も生じている。今や安全神話は崩壊し、原子力発電は計り知れないほど重大な危険を伴うものであるとの認識が広がっている。
こうした現実に直面した今日、我々には、これまでの国の原子力政策が誤りであったことを認め、これに協力して日本の経済社会を支えてきた地域の経済の発展を促進しつつ、全ての実用発電用原子炉等を速やかに停止し、及び計画的かつ効率的に廃止するとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギー電気の供給量の増加によりエネルギーの需給構造を転換し、持続可能な社会を実現する責務がある。
原発廃止・エネルギー転換の実現は、未来への希望である。原発廃止・エネルギー転換を実現することにより、環境と調和のとれた新しい経済社会を創造するとともに、そのために創出される新 技術を通じて原子力発電所のない世界の実現に貢献することができる。さらに、原発廃止・エネルギー転換の実現による脱炭素化の促進は、地球規模の緊要な課題である気候変動の問題の解決に資するものとなる。
ここに、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。
第 1 章 総 則
(目 的)
第1条
この法律は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の策定等について定めるとともに、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部を設置することにより、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(定 義)
第2条
この法律において「原発廃止・エネルギー転換」とは、全ての実用発電用原子炉等が廃止されるとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギー電気の供給量の増加によりエネルギーの需給構造が転換されることをいう。
この法律において「実用発電用原子炉等」とは、実用発電用原子炉(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第43条の4第一項に規定する実用発電用原子炉をいう。第4条第二項及び第9条第二項第二号において同じ。)及び高速増殖炉(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法(平成16年法律第155号)第2条第五項に規定する高速増殖炉をいう。)をいう。
この法律において「再生可能エネルギー電気」とは、再生可能エネルギー源(太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものをいう。以下同じ。)を変換して得られる電気をいう。
(基本理念)
第3条
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。
一 電気の安定供給の確保を図りつつ、全ての実用発電用原子炉等の運転を速やかに停止し、及び全ての実用発電用原子炉等を計画的かつ効率的に廃止すること。
二 エネルギーの使用の合理化等により、電気の需要量を削減すること。
三 自然環境及び生活環境の保全に配慮しつつ、再生可能エネルギー電気の供給量を増加させること。
(国の責務)
第4条
国は、前条の基本理念(次条において単に「基本理念」という。)にのっとり、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進する責務を有する。
2 国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に当たって生じ得る実用発電用原子炉を設置している電気事業者(電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第一項第十七号に規定する電気事業者をいう。以下同じ。)等の損失に適切に対処する責務を有する。
3 国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するに当たっては、原子力発電所等の周辺の地域の経済に及ぼす影響に十分に配慮しなければならない。
(地方共団体及び電気事業者等の責務)
第5条
地方公共団体及び電気事業者等は、基本理念にのっとり、国による原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進に協力する責務を有する。
(法制上の措置等)
第6条
政府は、第3章に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上、財政上、税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない。この場合において、第9条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上の措置については、この法律の施行後2年以内を目途として講ずるものとする。
(年次報告)
第7条
政府は、毎年、国会に、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関する施策の実施の状況に関する報告書を提出しなければならない。
第 2 章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の目標
第8条
政府は、この法律の施行後五年以内に、全ての実用発電用原子炉等の運転が廃止されることを目標とするものとする。
2 政府は、一年間における電気の需要量について、平成42年までに平成22年の一年間における電気の需要量からその百分の三十に相当する量以上を減少させることを目標とするものとする。
3 政府は、一年間における電気の供給量に占める再生可能エネルギー電気の供給量の割合について、平成42年までに百分の四十以上とすることを目標とするものとする。
第 3 章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の基本方針
(全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止)
第9条
政府は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ、実用発電用原子炉等の廃止並びに使用済燃料及び放射性廃棄物の管理及び処分に関する国の関与の在り方その他の全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止のための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じなければならない。
2 政府は、全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止を推進するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 原子力災害対策(原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)第6条の二第一項に規定する原子力災害対策をいう。)を重点的に実施すべき区域の住民の安全を確保するものとすること。
二 実用発電用原子炉を運転することができる期間の延長を認めないものとすること。
三 実用発電用原子炉等の設置の許可及び増設を伴う変更の許可を新たに与えないものとすること。
四 使用済燃料及び放射性廃棄物の管理及び処分は適正な方法によるものとし、使用済燃料の再処理は行わないものとすること。
五 実用発電用原子炉等を廃止し、又は使用済燃料の再処理の事業を廃止しようとする者に対し、必要な支援を行うものとすること。
六 電気のエネルギー源について、再生可能エネルギー源、可燃性天然ガス等の原子力以外のエネルギー源の利用への転換を図るものとすること。
七 新たな産業の創出、電気事業者の事業の継続等により、原子力発電所等の周辺の地域の経済の振興及び雇用の確保を図るものとすること。
(電気の需要量の削減)
第10条
政府は、電気の需要量を削減するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 国等によるその設置する施設におけるエネルギーの使用の合理化を推進するものとすること。
二 事業者によるエネルギーの使用の合理化の円滑な実施を促進するものとすること。
三 建築物のエネルギー消費性能の更なる向上を図るものとすること。
四 熱についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源及び廃熱の利用を促進するものとすること。
五 国内の地域に存するエネルギー源から得られ、又は製造されたエネルギーのその地域における利用を促進するものとすること。
(再生可能エネルギー電気の供給量の増加)
第11条
政府は、再生可能エネルギー電気の供給量を増加させるため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 国等によるその設置する施設における再生可能エネルギー電気の利用を推進するものとすること。
二 電気についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源の利用を促進するものとすること。
三 送電に係る事業と配電に係る事業の分離、電力系統の適正化等により再生可能エネルギー電気の供給を促進するものとすること。
四 地域の住民又は小規模の事業者の再生可能エネルギー電気の利用又は供給に係る自発的な協同組織の発達を図るものとすること。
(研究開発の推進等)
第12条
政府は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するため、実用発電用原子炉等の廃止及び再生可能エネルギー源の利用に関する研究開発その他の先端的な研究開発の推進並びにその成果の普及、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとする。
第 4 章 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画
第13条
原発廃止・エネルギー転換改革推進本部は、この法律の施行後一年を目途として、前章に定める基本方針に基づき、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進に関する計画(以下この条及び第十五条第一号において「原発廃止・エネルギー転換改革推進計画」という。)を定めなければならない。
2 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止に関する事項
二 電気の需要量の削減に関する事項
三 再生可能エネルギー電気の供給量の増加に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進のために講ずべき措置その他の必要な事項
3 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部は、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を定めたときは、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による報告があったときは、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の変更について準用する。
第 5 章 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部
(設置)
第14条
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部(以下「本部」という。)を置く。
(所掌事務)
第15条
本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を策定し、及びその実施を推進すること。
二 前号に掲げるもののほか、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関する施策であって基本的かつ総合的なものの企画に関して審議し、及びその施策の実施を推進すること。
(組織)
第16条
本部は、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長、原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長及び原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員をもって組織する。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長)
第17条
本部の長は、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。
2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長)
第18条
本部に、原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長(次項及び次条第二項において「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。
2 副本部長は、本部長の職務を助ける。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員)
第19条
本部に、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員(次項において「本部員」という。)を置く。
2 本部員は、本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。
(資料の提出その他の協力)
第20条
本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成11年法律第91号)第4条第一項第九号の規定の適用を受けるものをいう。)、認可法人(特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人をいう。)及び電気事業者の代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明その他の必要な協力を求めることができる。
2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
(事務局)
第21条
本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。
2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。
3 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。
(主任の大臣)
第22条
本部に係る事項については、内閣法(昭和22年法律第5号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
(政令への委任)
第23条
この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。
第 6 章 雑 則
(原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進を担う組織の在り方に関する検討)
第24条
政府は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進を担う組織(本部を除く。)の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとする。
(国民の理解を深める等のための措置)
第25条
政府は、教育活動、広報活動等を通じて、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、国民の理解を深めるとともに、国民の協力を求めるよう努めなければならない。
附則
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第四章及び第五章の規定は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
理由
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の策定等について定めるとともに、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部を設置することにより、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
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原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案
目 次
前 文
第一章 総則( 第1条 第7条)
第二章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の目標(第8条)
第三章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の基本方針( 第9条 第12条)
第四章 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画(第13条)
第五章 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部(第14条 第23)
第六章 雑則(第24条・第25条)
附 則
我が国は、今次の大戦において、原子爆弾の投下により未曽有の惨禍を被ったが、昭和30年の原子力基本法の制定以来、原子力の平和的利用の名の下に原子力発電を推進してきた。原子力発電には、安全性の問題のみならず、使用済燃料及び放射性廃棄物の処分方法、労働者の被ばくの危険性等の問題がある。それにもかかわらず、発電に要する経費が安価である、二酸化炭素を排出しない、核燃料サイクルによりエネルギーを無限に得られる等の主張は、原子力発電に関する諸問題から国民の目をそらし、殊更に強調された原子力発電の安全性は、日本の原子力発電所で事故は発生しないとの安全神話を生み出した。
しかし、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故は、原子力発電に依存する経済社会の構造に抜本的な改革を迫るものとなった。当該事故による原子力災害により多数の住民が避難を余儀なくされ、放射性物質による汚染に起因して住民の健康上の不安も生じている。今や安全神話は崩壊し、原子力発電は計り知れないほど重大な危険を伴うものであるとの認識が広がっている。
こうした現実に直面した今日、我々には、これまでの国の原子力政策が誤りであったことを認め、これに協力して日本の経済社会を支えてきた地域の経済の発展を促進しつつ、全ての実用発電用原子炉等を速やかに停止し、及び計画的かつ効率的に廃止するとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギー電気の供給量の増加によりエネルギーの需給構造を転換し、持続可能な社会を実現する責務がある。
原発廃止・エネルギー転換の実現は、未来への希望である。原発廃止・エネルギー転換を実現することにより、環境と調和のとれた新しい経済社会を創造するとともに、そのために創出される新 技術を通じて原子力発電所のない世界の実現に貢献することができる。さらに、原発廃止・エネルギー転換の実現による脱炭素化の促進は、地球規模の緊要な課題である気候変動の問題の解決に資するものとなる。
ここに、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。
第 1 章 総 則
(目 的)
第1条
この法律は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の策定等について定めるとともに、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部を設置することにより、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(定 義)
第2条
この法律において「原発廃止・エネルギー転換」とは、全ての実用発電用原子炉等が廃止されるとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギー電気の供給量の増加によりエネルギーの需給構造が転換されることをいう。
この法律において「実用発電用原子炉等」とは、実用発電用原子炉(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第43条の4第一項に規定する実用発電用原子炉をいう。第4条第二項及び第9条第二項第二号において同じ。)及び高速増殖炉(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法(平成16年法律第155号)第2条第五項に規定する高速増殖炉をいう。)をいう。
この法律において「再生可能エネルギー電気」とは、再生可能エネルギー源(太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものをいう。以下同じ。)を変換して得られる電気をいう。
(基本理念)
第3条
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。
一 電気の安定供給の確保を図りつつ、全ての実用発電用原子炉等の運転を速やかに停止し、及び全ての実用発電用原子炉等を計画的かつ効率的に廃止すること。
二 エネルギーの使用の合理化等により、電気の需要量を削減すること。
三 自然環境及び生活環境の保全に配慮しつつ、再生可能エネルギー電気の供給量を増加させること。
(国の責務)
第4条
国は、前条の基本理念(次条において単に「基本理念」という。)にのっとり、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進する責務を有する。
2 国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に当たって生じ得る実用発電用原子炉を設置している電気事業者(電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第一項第十七号に規定する電気事業者をいう。以下同じ。)等の損失に適切に対処する責務を有する。
3 国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するに当たっては、原子力発電所等の周辺の地域の経済に及ぼす影響に十分に配慮しなければならない。
(地方共団体及び電気事業者等の責務)
第5条
地方公共団体及び電気事業者等は、基本理念にのっとり、国による原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進に協力する責務を有する。
(法制上の措置等)
第6条
政府は、第3章に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上、財政上、税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない。この場合において、第9条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上の措置については、この法律の施行後2年以内を目途として講ずるものとする。
(年次報告)
第7条
政府は、毎年、国会に、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関する施策の実施の状況に関する報告書を提出しなければならない。
第 2 章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の目標
第8条
政府は、この法律の施行後五年以内に、全ての実用発電用原子炉等の運転が廃止されることを目標とするものとする。
2 政府は、一年間における電気の需要量について、平成42年までに平成22年の一年間における電気の需要量からその百分の三十に相当する量以上を減少させることを目標とするものとする。
3 政府は、一年間における電気の供給量に占める再生可能エネルギー電気の供給量の割合について、平成42年までに百分の四十以上とすることを目標とするものとする。
第 3 章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の基本方針
(全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止)
第9条
政府は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ、実用発電用原子炉等の廃止並びに使用済燃料及び放射性廃棄物の管理及び処分に関する国の関与の在り方その他の全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止のための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じなければならない。
2 政府は、全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止を推進するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 原子力災害対策(原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)第6条の二第一項に規定する原子力災害対策をいう。)を重点的に実施すべき区域の住民の安全を確保するものとすること。
二 実用発電用原子炉を運転することができる期間の延長を認めないものとすること。
三 実用発電用原子炉等の設置の許可及び増設を伴う変更の許可を新たに与えないものとすること。
四 使用済燃料及び放射性廃棄物の管理及び処分は適正な方法によるものとし、使用済燃料の再処理は行わないものとすること。
五 実用発電用原子炉等を廃止し、又は使用済燃料の再処理の事業を廃止しようとする者に対し、必要な支援を行うものとすること。
六 電気のエネルギー源について、再生可能エネルギー源、可燃性天然ガス等の原子力以外のエネルギー源の利用への転換を図るものとすること。
七 新たな産業の創出、電気事業者の事業の継続等により、原子力発電所等の周辺の地域の経済の振興及び雇用の確保を図るものとすること。
(電気の需要量の削減)
第10条
政府は、電気の需要量を削減するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 国等によるその設置する施設におけるエネルギーの使用の合理化を推進するものとすること。
二 事業者によるエネルギーの使用の合理化の円滑な実施を促進するものとすること。
三 建築物のエネルギー消費性能の更なる向上を図るものとすること。
四 熱についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源及び廃熱の利用を促進するものとすること。
五 国内の地域に存するエネルギー源から得られ、又は製造されたエネルギーのその地域における利用を促進するものとすること。
(再生可能エネルギー電気の供給量の増加)
第11条
政府は、再生可能エネルギー電気の供給量を増加させるため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 国等によるその設置する施設における再生可能エネルギー電気の利用を推進するものとすること。
二 電気についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源の利用を促進するものとすること。
三 送電に係る事業と配電に係る事業の分離、電力系統の適正化等により再生可能エネルギー電気の供給を促進するものとすること。
四 地域の住民又は小規模の事業者の再生可能エネルギー電気の利用又は供給に係る自発的な協同組織の発達を図るものとすること。
(研究開発の推進等)
第12条
政府は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するため、実用発電用原子炉等の廃止及び再生可能エネルギー源の利用に関する研究開発その他の先端的な研究開発の推進並びにその成果の普及、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとする。
第 4 章 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画
第13条
原発廃止・エネルギー転換改革推進本部は、この法律の施行後一年を目途として、前章に定める基本方針に基づき、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進に関する計画(以下この条及び第十五条第一号において「原発廃止・エネルギー転換改革推進計画」という。)を定めなければならない。
2 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止に関する事項
二 電気の需要量の削減に関する事項
三 再生可能エネルギー電気の供給量の増加に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進のために講ずべき措置その他の必要な事項
3 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部は、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を定めたときは、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による報告があったときは、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の変更について準用する。
第 5 章 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部
(設置)
第14条
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部(以下「本部」という。)を置く。
(所掌事務)
第15条
本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を策定し、及びその実施を推進すること。
二 前号に掲げるもののほか、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関する施策であって基本的かつ総合的なものの企画に関して審議し、及びその施策の実施を推進すること。
(組織)
第16条
本部は、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長、原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長及び原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員をもって組織する。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長)
第17条
本部の長は、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。
2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長)
第18条
本部に、原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長(次項及び次条第二項において「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。
2 副本部長は、本部長の職務を助ける。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員)
第19条
本部に、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員(次項において「本部員」という。)を置く。
2 本部員は、本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。
(資料の提出その他の協力)
第20条
本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成11年法律第91号)第4条第一項第九号の規定の適用を受けるものをいう。)、認可法人(特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人をいう。)及び電気事業者の代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明その他の必要な協力を求めることができる。
2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
(事務局)
第21条
本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。
2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。
3 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。
(主任の大臣)
第22条
本部に係る事項については、内閣法(昭和22年法律第5号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
(政令への委任)
第23条
この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。
第 6 章 雑 則
(原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進を担う組織の在り方に関する検討)
第24条
政府は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進を担う組織(本部を除く。)の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとする。
(国民の理解を深める等のための措置)
第25条
政府は、教育活動、広報活動等を通じて、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、国民の理解を深めるとともに、国民の協力を求めるよう努めなければならない。
附則
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第四章及び第五章の規定は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
理由
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の策定等について定めるとともに、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部を設置することにより、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
2018年3月20日火曜日
相談ファイル1 外国人の日本での起業
先日、在留資格を有する中国人の方の会社設立に伴う銀行口座開設の相談を受けました。外国人の方の日本での会社設立について、法的な扱いがどうなっているのかを調べるところから始めました。
2015年3月16日付で「法務省民商第29号通知」が発出されました。これは、「内国株式会社の代表取締役の全員が日本に住所を有しない場合の登記の申請の取扱いについて」本日をもって変更しますよという通知でした。本文には、「代表取締役の全員が日本に住所を有しない内国株式会社の設立登記の申請及びその代表取締役の重任若しくは就任の登記の申請については、昭和59年9月26日民四第4974号民事局第四課長回答及び昭和60年3月11日民四第1480号民事局第四課長回答により、受理すべきでないとしているところですが、本日以降、これらの申請を受理して差し支えありませんので、この旨貴管下登記官に周知方取り計らい願います。」と書かれています。
要するに、内国会社の代表取締役のうち、最低1人は日本に住所を有していなければならないとされていた従前の規定が廃止され、代表取締役の全員が海外に居住していても、日本において会社の設立登記を申請することができるようになったということです。
株式会社の設立登記において、出資の履行としての払い込みがあった証明を書面で提出しなければならないことになっていますが、「払込取扱機関に払い込まれた金額を証する書面(設立時代表取締役又は設立時代表執行役が作成)」、「払込取扱機関における口座の預金通帳の写し又は取引明細表その他払込取扱機関が作成した書面」の二つが必要となります。そして預金口座の名義人と認められるのは、発起人または設立時の取締役とされ、設立時の取締役を口座名義人とする場合は、「発起人が設立時取締役に対して払込金の受領権限を委任したことを明らかにする書面(委任状)」を併せて添付する必要があります。
発起人及び設立時取締役の全員が日本国内に住所を有していない場合の特例があり、発起人及び設立時取締役以外の者(自然人に限られず、法人も含みます。以下「第三者」といいます。)であっても、預金通帳の口座名義人として認められます(平成29年3月17日民商第41号通達)。この際に,払込みがあったことを証する書面として,第三者が口座名義人である預金通帳の写しを添付する場合には,「発起人が第三者に対して払込金の受領権限を委任したことを明らかにする書面(委任状)」を併せて添付する必要があります。
払込取扱機関、要するに口座を開設する銀行は、内国銀行の日本国内本支店だけでなく、外国銀行の日本国内支店(内閣総理大臣の認可を受けて設置された銀行)も含まれます。また、内国銀行の海外支店も「払込取扱機関」に含まれます(平成28年12月20日民商第179号通達 )。このような支店かどうかは、銀行の登記事項証明書等により確認可能です。
商業・法人登記の申請書に添付する外国人の署名証明書(署名が本人のものであることについて本国官憲が作成した証明書。日本人の場合の印鑑証明ですね。)については、当該外国人が居住する国等に所在する当該外国人の本国官憲が作成したものでも差し支えないこととされました(平成28年6月28日民商第100号通達。平成29年2月10日民商第15号通達により一部改正。)。また、本国官憲の署名証明書を取得できないやむを得ない事情がある場合には、居住国官憲が作成した署名証明書、居住国の公証人が作成した署名証明書、日本の公証人が作成した署名証明書でも許容される場合があるとされています。
2015年3月16日付で「法務省民商第29号通知」が発出されました。これは、「内国株式会社の代表取締役の全員が日本に住所を有しない場合の登記の申請の取扱いについて」本日をもって変更しますよという通知でした。本文には、「代表取締役の全員が日本に住所を有しない内国株式会社の設立登記の申請及びその代表取締役の重任若しくは就任の登記の申請については、昭和59年9月26日民四第4974号民事局第四課長回答及び昭和60年3月11日民四第1480号民事局第四課長回答により、受理すべきでないとしているところですが、本日以降、これらの申請を受理して差し支えありませんので、この旨貴管下登記官に周知方取り計らい願います。」と書かれています。
要するに、内国会社の代表取締役のうち、最低1人は日本に住所を有していなければならないとされていた従前の規定が廃止され、代表取締役の全員が海外に居住していても、日本において会社の設立登記を申請することができるようになったということです。
株式会社の設立登記において、出資の履行としての払い込みがあった証明を書面で提出しなければならないことになっていますが、「払込取扱機関に払い込まれた金額を証する書面(設立時代表取締役又は設立時代表執行役が作成)」、「払込取扱機関における口座の預金通帳の写し又は取引明細表その他払込取扱機関が作成した書面」の二つが必要となります。そして預金口座の名義人と認められるのは、発起人または設立時の取締役とされ、設立時の取締役を口座名義人とする場合は、「発起人が設立時取締役に対して払込金の受領権限を委任したことを明らかにする書面(委任状)」を併せて添付する必要があります。
発起人及び設立時取締役の全員が日本国内に住所を有していない場合の特例があり、発起人及び設立時取締役以外の者(自然人に限られず、法人も含みます。以下「第三者」といいます。)であっても、預金通帳の口座名義人として認められます(平成29年3月17日民商第41号通達)。この際に,払込みがあったことを証する書面として,第三者が口座名義人である預金通帳の写しを添付する場合には,「発起人が第三者に対して払込金の受領権限を委任したことを明らかにする書面(委任状)」を併せて添付する必要があります。
払込取扱機関、要するに口座を開設する銀行は、内国銀行の日本国内本支店だけでなく、外国銀行の日本国内支店(内閣総理大臣の認可を受けて設置された銀行)も含まれます。また、内国銀行の海外支店も「払込取扱機関」に含まれます(平成28年12月20日民商第179号通達 )。このような支店かどうかは、銀行の登記事項証明書等により確認可能です。
商業・法人登記の申請書に添付する外国人の署名証明書(署名が本人のものであることについて本国官憲が作成した証明書。日本人の場合の印鑑証明ですね。)については、当該外国人が居住する国等に所在する当該外国人の本国官憲が作成したものでも差し支えないこととされました(平成28年6月28日民商第100号通達。平成29年2月10日民商第15号通達により一部改正。)。また、本国官憲の署名証明書を取得できないやむを得ない事情がある場合には、居住国官憲が作成した署名証明書、居住国の公証人が作成した署名証明書、日本の公証人が作成した署名証明書でも許容される場合があるとされています。
会社法の規定に基づく外国会社としての登記をしていない外国会社や、印鑑を押印することのできない外国人が、登記の申請書、定款、添付書面の原本還付を求める場合の添付書面の写し等に契印する場合には、契印の代わりに以下のいずれかの方法で署名をすることができます。
1 各ページごとのつづり目に署名(いわゆる割サイン)をする
2 各ページの余白部分に署名をする
3 各ページの余白部分にイニシャルを自書する
4 袋とじの部分(表紙と裏表紙の両方)に署名をする
商業登記の申請書に、外国語で作成された書面を添付する場合には、原則としてその全てについて日本語の訳文も併せて添付する必要があります。
こんなことを頭に入れておいて、相談にのぞみましたが、一番手間取ったのは銀行口座の開設でした。ご本人が、都市銀行を希望しておりましたので、某都銀と話をしましたが、口座を開設するにあたって日本企業と取引を開始する契約書を求められました。しかし、これは法人を開設し、設立登記して、そして契約となる話で、先に契約書を求められても難しい話でした。
友人の元銀行マンに話を聞くと、都銀だと自分のところの口座がマネーロンダリングに使われると金融庁に叱られるので、それを避けるために商いの実績がある会社かどうかを確認するのだということがわかりました。要するに、新しく法人を立ち上るのに都銀は使いにくい(使えない)ということですね。そこで、地銀にターゲットを絞って、私の友人の出身銀行に口座開設をしてもらうことにしました。在留カード、納税証明書、パスポート(身分証明書)、銀行印等を用意して、事前に元銀行マンを経由で状況を説明してもらっておいて、窓口の担当者を訪ね無事に口座開設をしてもらうことができました。
今回の相談に対応することで、日本で会社を設立するのに、代表取締役に日本人が入っていなくてもよいということを初めて知りました。また、都銀と地銀でマネーロンダリング等への対応で口座開設のハードルの高さが違うことも経験しました。地銀の対応が比較的弾力的な対応が可能なので、まずは地銀で口座開設し、取引実績を積んでおいて、ご本人の母国にも支店のある都銀に口座を開くという方法がよさそうです。
いや~、いい勉強させてもらいました。
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