先日、土木学会が南海トラフ地震が発生した場合の経済被害を1,240兆円とする推計を発表していました。資産被害と合わせると1,410兆円というとんでもない数字になります。
東日本大震災同様、地震そのものによる地域の破壊、津波による二次被害、工場などの生産施設や交通網の破壊などによる経済活動の低迷、震災復興には長い時間が必要なことは、7年たった東日本大震災後の復旧の状況を見れば明らかです。
武田信玄さんが考案した霞提は、連続する堤ではなく、あらかじめ間に切れ目をいれた不連続の堤防になっています。不連続点では、上流側の堤防が下流側堤防の堤外(河川側)に入り込んでいます。不連続部周辺の堤内(生活・営農区域)側は、予め浸水を予想されている遊水地で、それにより洪水時の増水による堤への一方的負荷を軽減し、決壊の危険性を少なくさせました。この霞提の優れた点として、洪水で運ばれる土砂は、もともと上流の山林で形成された肥沃な土壌であり、それをそのまま下流に流すことなく、営農区域に蓄積する機能を有したことがあげられます。近代化された視点からは、治水を単なる土木工事の対象としか見ないことが多いわけですが、農業さらに広くはエコロジーの視点を持った治水法として再評価されているのです。
私のイメージする災害に強い町は、例えば、この霞提のような発想でまちづくりに取り組むことです。南海トラフ地震は必ず起こりますし、地震がおこれば津波も発生します。津波の圧力を高い防波堤を作って防ぐという発想ではなく、津波の威力を分散したり、海岸線に緩衝地帯を設けたり、津波の力に対して力だけで対抗するのではなくて、それをうまくかわすような対策が求められている気がするんですよね。それが東日本大震災の被災地を回ってみての私の感想です。
安価な土地を求めて海際ギリギリまで宅地開発が行われたり、安易に山を切り開いて宅地造成したり、そういうことの結果が、土砂災害に巻き込まれたり、津波で流されたりといった災害の発生につながっています。
災害に強い町づくりのカギを握るのは自然との共生です。台風や大雨や地震や津波は必ずやってくるものです。こうした自然現象を人間の科学技術でねじ伏せようとしたのでは、東日本大震災の時によく流行った「想定外」の規模の自然現象が起こった時に被害が出てしまうのです。私は、自然環境をよく観察し、自然環境をうまく活用した計画的なまちづくりが必要だと思っています。
津波が予想される海岸線には小高い丘の公園を整備し、津波が来た時に海水を受けるための海水池を配したり、海岸線から一定の距離を保って宅地を整備したり、地域の自然環境を踏まえたまちづくり計画を作っていくことが求められています。
土砂災害が発生する可能性のある山の周りでは、土石流が発生したときにその被害にあわないように宅地を再整備したり、洪水の発生しやすい河川では河川敷に遊歩道や運動場を作って実質的に川幅を広げて増水に対応するとか、そういう自然をうまく生かした治水対策が必要です。
こうしたことを具体化していくためには、自治体に要求するだけではなくて、地域住民自身が自ら考え、計画づくりに参加していくことが求められます。そうでなければ実効性のあるまちづくりはできないと思うからです。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、国は地域包括ケアシステムを構築するとしていますが、国の地域包括ケアシステムで、本当に、暮し慣れた地域で、自分らしく、人生の最後を安心して迎えられるのか?そんな疑問からまちづくり研究所をたちあげ、地域にある資源をネットワークでつなぎ、不足する地域資源は地域の皆さんと一緒につくりあげて、地域に住む一人ひとりが、安心して暮らしていける、そんな地域社会づくりに取り組んでいこうと決意しました。みなさんご一緒に、とにかく何かを始めませんか!
2018年6月13日水曜日
2018年6月2日土曜日
高齢者の住まいの問題と私たちの取り組み
◆アパートの賃貸契約に伴う保証人
国土交通省が2015年12月に実施した調査で、民間賃貸住宅の家主さんの70.2%が高齢者の入居に抵抗感があると回答しています。さらに単身高齢者の入居を拒否していると答えた家主が8.7%、高齢者のみ世帯の入居を拒否していると回答した家主が4.7%いることがわかりました。
その理由は、家賃の支払いに対する不安が61.5%と6割を超え、居室内の死亡事故に対する不安をあげたか家主が56.9%にのぼります。単身高齢者の場合の保証人の確保、死後の遺品整理などで手間がかかると感じている家主が多いことがわかりました。
実際に、70歳をこえた方から、「今まで保証人なしで契約できたのに、今年の更新で保証人をつけるように言われた。幸い、近くに住む従妹に頼むことができたが、他の親族との交流はほとんどなく、従妹に何かあったらどうしようかと不安になる・・・。」そんな声をお聞きしたばかりです。
私は、「もし、保証人が見つからない場合には、まちづくり研究所にご連絡ください。場合によっては、私が保証人になりますから。」とお返事させていただきました。
こうした保証人・連帯保証人を見つけることができない人に対して、インターネットから簡単に申し込める保証人代行サービスがあります。しかし、法的な規制がないため、簡単に始められることから、色々な会社が保証人代行サービス業界に参入しており、トラブルも急増しているようです。国民生活センターが注意を呼び掛けていますが、そこには「インターネットを通じて保証人紹介業者(以下「紹介業者」という)に申し込みをしたところ、「保証人を紹介されなかった」「キャンセルを申し出たら拒否された」といったトラブルが増加傾向にある。また、保証人として紹介業者に名義登録をすれば報酬を得られるということで名義を登録したところ、多額の債務を負わされてしまったというトラブルもある。」と書かれており、安易な利用は避けたいところです。
私は15年ほど前、大学の後輩が社長をしている会社の連帯保証人を引き受け、その会社が倒産したため、大きな負債をかかえ大変な思いをしてそれを返済したことがあり、保証人を引き受けることの意味やリスクは嫌という味わってきました。だから、お金の貸し借りにともなう連帯保証人は引き受けたくはないと思っていたら、60歳を過ぎると保証能力が問われ連帯保証人と認められないことが多いようです(法律的には年齢制限はないと思います。)。ちょっと横道にそれましたが、借金の連帯保証人を私が引き受けるのは無理(認められない可能性が高い)かもしれませんが、借金問題を解決する方法については経験してきたことも含めて、ご相談しながら克服できると思いますし、借金以外のアパートの賃貸契約等についてはお受けいたしますので、ご相談いただきたいと思います。
もちろん一定のリスクを引き受けますし、保証人をしている期間中ずっと関係が継続していくので、まちづくり研究所の会員・賛助会員になっていただくこと、家賃の代位弁済の可能性があるので、2か月分くらいの家賃相当額をまちづくり研究所に供託していただくことを条件にさせていただきたいとは思います。ここには、家賃の支払いが滞らざるをえないような事態が生じた場合、ご一緒に2か月以内に解決しようという意味も含んでいます。
◆部屋の清掃・遺品整理
もう一つ高齢者の住まいの問題で良くお聞きするのが、家の片づけのことです。長い人生を生きてきて、思い出の品々が家のあらゆるところに満ち溢れ、いつの間にか生活そのものが圧迫されているケースを見てきました。
「貰いものを捨てられない」ことで家の中にものがあふれ床が見えない部屋、だんだん体を動かすのがおっくうになって捨てられなくなった粗大ごみや資源ごみが溢れる部屋、まちづくり研究所はこうした部屋の片付け・掃除をお手伝いします。
また、最近では生前贈与を希望される方も増えています。大事なコレクションや自身の創作品など、生きているうちに貰って欲しいと思う人に手渡したい、そういう人が多くなったといわれます。終活という言葉が生まれ、自分の人生をどう終えるかということを生きているうちに考えておきましょうという考え方が提起されました。そんな中で、自分の生きてきた歴史や価値を次の世代に引き継いでから人生を終えたいと考える人が増えたのでしょう。
まちづくり研究所は、遺品整理は文化や価値を次の世代に引き継ぐ作業だと考えています。また、一つひとつの物にはそれぞれの思い出がつまっており、ないがしろにすることはできません。そんな姿勢で、遺品整理のお手伝いをさせていただきます。
◆空き家の活用
総務省発表の2013年の住宅・土地統計調査によると、総住宅数は 6,063 万戸と5年前に比べ305 万戸(5.3%)増加、空き家数は 820 万戸と5年前に比べ63 万戸(8.3%)増加。空き家率(総住宅数に占める割合)は13.5%と 0.4 ポイント上昇し、過去最高となりました。別荘等の二次的住宅数は 41 万戸。二次的住宅を除く空き家率は12.8%です。共同住宅数は2,209 万戸で5年前に比べ141 万戸(6.8%)増加、住宅全体に占める割合は,42.4%と5年前に比べ,0.7 ポイント上昇しました。
空家数は今後も増加していくとみられていますが、その空き家を有効活用し、高齢者向けの住宅等の整備につなげたいと考えています。売買のお手伝いから、例えば、シェアハウスへのリユースや地域のたまり場としての整備、不足する地域資源を解消するための仕事おこしへの活用など、様々な実践が全国各地で取り組まれています。
まちづくり研究所でも、地域の状況に応じた空き家の活用方法を皆さんと一緒に考え、具体的な形にしてくことを大事にして、空き家の有効活用に取り組んでいきます。
住宅問題で困ったら、一人で思い悩まずに、まずはまちづくり研究所にご連絡ください。ご一緒に解決していきましょう。
国土交通省が2015年12月に実施した調査で、民間賃貸住宅の家主さんの70.2%が高齢者の入居に抵抗感があると回答しています。さらに単身高齢者の入居を拒否していると答えた家主が8.7%、高齢者のみ世帯の入居を拒否していると回答した家主が4.7%いることがわかりました。
その理由は、家賃の支払いに対する不安が61.5%と6割を超え、居室内の死亡事故に対する不安をあげたか家主が56.9%にのぼります。単身高齢者の場合の保証人の確保、死後の遺品整理などで手間がかかると感じている家主が多いことがわかりました。
実際に、70歳をこえた方から、「今まで保証人なしで契約できたのに、今年の更新で保証人をつけるように言われた。幸い、近くに住む従妹に頼むことができたが、他の親族との交流はほとんどなく、従妹に何かあったらどうしようかと不安になる・・・。」そんな声をお聞きしたばかりです。
私は、「もし、保証人が見つからない場合には、まちづくり研究所にご連絡ください。場合によっては、私が保証人になりますから。」とお返事させていただきました。
こうした保証人・連帯保証人を見つけることができない人に対して、インターネットから簡単に申し込める保証人代行サービスがあります。しかし、法的な規制がないため、簡単に始められることから、色々な会社が保証人代行サービス業界に参入しており、トラブルも急増しているようです。国民生活センターが注意を呼び掛けていますが、そこには「インターネットを通じて保証人紹介業者(以下「紹介業者」という)に申し込みをしたところ、「保証人を紹介されなかった」「キャンセルを申し出たら拒否された」といったトラブルが増加傾向にある。また、保証人として紹介業者に名義登録をすれば報酬を得られるということで名義を登録したところ、多額の債務を負わされてしまったというトラブルもある。」と書かれており、安易な利用は避けたいところです。
私は15年ほど前、大学の後輩が社長をしている会社の連帯保証人を引き受け、その会社が倒産したため、大きな負債をかかえ大変な思いをしてそれを返済したことがあり、保証人を引き受けることの意味やリスクは嫌という味わってきました。だから、お金の貸し借りにともなう連帯保証人は引き受けたくはないと思っていたら、60歳を過ぎると保証能力が問われ連帯保証人と認められないことが多いようです(法律的には年齢制限はないと思います。)。ちょっと横道にそれましたが、借金の連帯保証人を私が引き受けるのは無理(認められない可能性が高い)かもしれませんが、借金問題を解決する方法については経験してきたことも含めて、ご相談しながら克服できると思いますし、借金以外のアパートの賃貸契約等についてはお受けいたしますので、ご相談いただきたいと思います。
もちろん一定のリスクを引き受けますし、保証人をしている期間中ずっと関係が継続していくので、まちづくり研究所の会員・賛助会員になっていただくこと、家賃の代位弁済の可能性があるので、2か月分くらいの家賃相当額をまちづくり研究所に供託していただくことを条件にさせていただきたいとは思います。ここには、家賃の支払いが滞らざるをえないような事態が生じた場合、ご一緒に2か月以内に解決しようという意味も含んでいます。
◆部屋の清掃・遺品整理
もう一つ高齢者の住まいの問題で良くお聞きするのが、家の片づけのことです。長い人生を生きてきて、思い出の品々が家のあらゆるところに満ち溢れ、いつの間にか生活そのものが圧迫されているケースを見てきました。
「貰いものを捨てられない」ことで家の中にものがあふれ床が見えない部屋、だんだん体を動かすのがおっくうになって捨てられなくなった粗大ごみや資源ごみが溢れる部屋、まちづくり研究所はこうした部屋の片付け・掃除をお手伝いします。
また、最近では生前贈与を希望される方も増えています。大事なコレクションや自身の創作品など、生きているうちに貰って欲しいと思う人に手渡したい、そういう人が多くなったといわれます。終活という言葉が生まれ、自分の人生をどう終えるかということを生きているうちに考えておきましょうという考え方が提起されました。そんな中で、自分の生きてきた歴史や価値を次の世代に引き継いでから人生を終えたいと考える人が増えたのでしょう。
まちづくり研究所は、遺品整理は文化や価値を次の世代に引き継ぐ作業だと考えています。また、一つひとつの物にはそれぞれの思い出がつまっており、ないがしろにすることはできません。そんな姿勢で、遺品整理のお手伝いをさせていただきます。
◆空き家の活用
総務省発表の2013年の住宅・土地統計調査によると、総住宅数は 6,063 万戸と5年前に比べ305 万戸(5.3%)増加、空き家数は 820 万戸と5年前に比べ63 万戸(8.3%)増加。空き家率(総住宅数に占める割合)は13.5%と 0.4 ポイント上昇し、過去最高となりました。別荘等の二次的住宅数は 41 万戸。二次的住宅を除く空き家率は12.8%です。共同住宅数は2,209 万戸で5年前に比べ141 万戸(6.8%)増加、住宅全体に占める割合は,42.4%と5年前に比べ,0.7 ポイント上昇しました。
空家数は今後も増加していくとみられていますが、その空き家を有効活用し、高齢者向けの住宅等の整備につなげたいと考えています。売買のお手伝いから、例えば、シェアハウスへのリユースや地域のたまり場としての整備、不足する地域資源を解消するための仕事おこしへの活用など、様々な実践が全国各地で取り組まれています。
まちづくり研究所でも、地域の状況に応じた空き家の活用方法を皆さんと一緒に考え、具体的な形にしてくことを大事にして、空き家の有効活用に取り組んでいきます。
住宅問題で困ったら、一人で思い悩まずに、まずはまちづくり研究所にご連絡ください。ご一緒に解決していきましょう。
2018年5月29日火曜日
入院時の差額ベッド代
病院の差額ベッド代についてご質問をいただいた。高齢者ご夫妻のお宅で、夫が呼吸が苦しいというので妻が救急車を呼んで、救急指定病院に運ばれ、肺炎と診断され1週間ほど入院したのだが、差額ベッド代のかかるベッドしか空いていないと言われ、仕方なく同意書に署名した。二人部屋で1日3,000円かかる部屋だったそうだが、家計のやりくりが大変な中での21,000円の差額ベッド代負担は辛かった、というお話だった。そして、病院のベッドは差額ベッド代は必ず払わなければならないものなのか?というのが質問の主旨だった。
あらためて、差額ベッド代のルールを整理しておきたい。下に、厚労省保険局課長通知の抜粋を資料として載せておく。
【差額ベッド代の原則】
1 ベッド数の5割まで
保険医療機関の病床数の5割まで、妥当な範囲の差額ベッド代の負担を求めることを認める。
2 特別の負担にふさわしい療養環境
病室のベッド数4床以下、一人当り床面積6.4㎡以上、プライバシーが保護され、個人用収納庫や小机・椅子等の設備を有する場合に、差額ベッド代の徴収を認める。
3 患者への十分な説明に基づく、患者の自由な選択と同意
特別の療養環境の提供は、患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意に基づいて行われる必要があり、患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならない。
4 院内掲示と患者への説明と同意書
保険医療機関内の見やすい場所、例えば、受付窓口、待合室等に特別療養環境室の各々についてそのベッド数、特別療養環境室の場所及び料金を患者にとって分かりやすく掲示しなければならない。また、特別療養環境室への入院を希望する患者に対しては、特別療養環境室の設備構造、料金等について明確かつ懇切丁寧に説明し、患者側の同意を確認のうえ入院させなければならない。なお、この同意の確認は、料金等を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うこと。
5 差額ベッド代を請求できないケースの例示
① 同意書による同意の確認を行っていない場合
② 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合
③ 感染防止や差額ベッドのいらない病床が満床であるなど実質的に患者の選択によらない場合
ほかにも細かな取り決めがあるが、患者として知っておかなければならないのはこれで十分。今回の相談のケースでは、満床であることを理由に差額ベッド代の必要な病室に入院を余儀なくされたわけだから、差額ベッド代を請求できないケースの③に該当する。奥さんが署名した同意書には、差額ベッドの要らない病床が満床だからという記載があるわけではなく、差額ベッド代1日3,000円かかる病室への入院することを同意する旨の記載しかなく、説明し、納得し、同意書に署名したと主張されると反論は難しいのだろうなと思われた。
私が病院とお話しても良いですし、岡山県の医療安全センターに対応してもらうこともでできますよ、とお声掛けしたが、今回は1週間ほどで何とかなる範囲だからそこまでしなくてもいいということだった。奥さんは「次からは、気を付けて無駄な差額ベッド代を払わなくても済むようにしたい。」と言っていた。蛇足ながら、私は、差額ベッド代をもらっていない病院もあるんですよと、古巣の、岡山協立病院を紹介しておいた。全日本民主医療機関連合会(民医連)に加盟する病院は、差額ベッド代をもらっていない、庶民にとっては貴重な存在だ。
こんな場合の苦情相談窓口として、まちづくり研究所を活用していただければ良いのだが、岡山県でいえば岡山県医療安全支援センターがあり、次のような相談実施方針のもと、県民の苦情・相談に対応している。
(1)中立的な立場から患者・家族と医療関係者・医療機関との信頼関係を構築
(2)医療事故であるか否かや、責任の所在を判断するものではない
あくまで患者・家族及び医療機関の問題解決に中立的立場から助言する。
(3)ご相談の内容によってはより適した相談窓口を紹介。
(4)相談は匿名可。また、医療機関等へ連絡する際も相談者の了解を得て行う。
【岡山県医療安全センター】
相談受付日:月曜日から金曜日(国民の祝日及び休日、年末年始の休日を除く)
相談時間:8時30分から12時。 13時から17時15分
電話番号:086-226-7322
相 談 員:2名(看護職)
※その他にも各保健所に相談窓口を開設している。
また、岡山市、倉敷市はそれぞれ保健所の中に、医療相談窓口をもうけている。
【岡山市・倉敷市の医療相談窓口】
◆岡山市保健所 保健課
岡山市北区鹿田町1-1-1
電話:086-803-1254
◆倉敷市保健所 保健課
倉敷市笹沖170
電話:086-434-9812
--------------------------------------------------------
【資料】保医発0305第6号平成30年3月5日(抜粋)
12 特別の療養環境の提供に係る基準に関する事項
i)入院医療に係る特別の療養環境の提供
(1) 療養環境の向上に対するニーズが高まりつつあることに対応して、患者の選択の機会を広げるために、(2)の要件を満たす病床について保険医療機関の病床(健康保険法(大正11年法律第70号)第63条第3項第1号の指定に係る病床(健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第26条の規定による改正前の介護保険法(平成9年法律第123号)第48条第1項第3号に規定する指定介護療養施設サービスを行う同法第8条第26項に規定する療養病床等を除く。)に限る。以下第3において同じ。)の数の5割まで患者に妥当な範囲の負担を求めることを認めることとしたものであること。
(2) 療養環境については、患者が特別の負担をする上でふさわしい療養環境である必要があり、次の①から④までの要件を充足するものでなければならないこと。
① 特別の療養環境に係る一の病室の病床数は4床以下であること。
② 病室の面積は1人当たり6.4平方メートル以上であること。
③ 病床ごとのプライバシーの確保を図るための設備を備えていること。
④ 特別の療養環境として適切な設備を有すること。
(3) (1)にかかわらず、厚生労働大臣が次に掲げる要件を満たすものとして承認した保険医療機関にあっては、当該承認に係る病床割合まで患者に妥当な範囲の負担を求めることを認めることとしたものであること。
① 当該保険医療機関の所在地を含む区域(医療法(昭和23年法律第205号)第30条の4第2項第10号に規定する区域をいう。)における療養病床(同法第7条第2項第4号に規定する療養病床をいう。)及び一般病床(同法第7条第2項第5号に規定する一般病床をい
う。)の数が、同法第30条の4第1項に規定する医療計画において定める当該区域の療養病床及び一般病床に係る基準病床数に既に達しており、かつ、特別の療養環境に係る病床数の当該保険医療機関の病床数に対する割合を増加しても患者が療養の給付を受けることに支障を来すおそれがないこと。
この場合においては、当該保険医療機関におけるこれまでの特別の病室の稼働の状況、特別の病室の申し込みの状況等を勘案し、当該保険医療機関の特別の病室を増加しても、患者が療養の給付を受けることに支障を来すおそれがないかどうか判断するものとすること。
② 経験を有する常勤の相談員により、特別の療養環境の提供に係る病室への入退室及び特別の料金等に関する相談体制が常時とられていること。
③ 必要に応じ、患者を適切かつ迅速に他の保険医療機関に紹介することができる等の他の保険医療機関との連携体制が整えられていること。
④ 当該保険医療機関における特別の療養環境の提供に係る病室のすべてについて、一の病室の病床数が2床以下であり、かつ、病室の面積及び設備については(2)の②から④までの要件を充足するものであること。
⑤ 算定告示別表第一医科診療報酬点数表(以下「医科点数表」という。)第1章第2部第1節又は別表第二歯科診療報酬点数表(以下「歯科点数表」という。)第1章第2部第1節に規定する7対1入院基本料及び10対1入院基本料、療養病棟入院基本料(特別入院基本料等を除く。)並びに有床診療所入院基本料1及び有床診療所入院基本料4を算定する保険医療機関であること。
⑥ 医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第19条第1項第1号及び第2号に定める医師及び歯科医師の員数を満たしていること。
⑦ 厚生労働大臣から当該承認を受ける前6月間において掲示事項等告示第3の基準に違反したことがなく、かつ現に違反していないこと。
(4) (3)の承認に係る病床割合については、次の事項を基準として設定すること。
① 医科点数表又は歯科点数表に掲げる療養環境加算、重症者等療養環境特別加算等を算定する病室として当該保険医療機関が届出を行っている病室における病床は、承認に係る病床から除外すること。
② 特定集中治療室、小児特定集中治療室、新生児特定集中治療室、母体・胎児集中治療室、一類感染症患者入院医療管理治療室等患者の治療上の必要があるために入院するものとして設けられている病室における病床は、承認に係る病床から除外すること。
③ 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院をいう。)、救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院等、「救急医療対策の整備事業について(昭和52年医発第692号)」に規定された保険医療機関等において救急患者のために設けられた専用病床等は、承認に係る病床から除外すること。
④ ①から③までのほか、当該保険医療機関におけるこれまでの特別療養環境室以外の病床への入院状況、特別療養環境室への入院希望の状況、救急患者の割合等を総合的に勘案し、特別療養環境室に係る病床以外の病床を一定割合確保すること。
(5) (1)及び(3)にかかわらず、特定機能病院以外の保険医療機関であって、国又は地方公共団体が開設するものにあっては、その公的性格等にかんがみ、国が開設するものにあっては病床数の2割以下、地方公共団体が開設するものにあっては病床数の3割以下としたこと。
(6) 特別の療養環境の提供は、患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意に基づいて行われる必要があり、患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならないこと。
(7) 特別療養環境室へ入院させた場合においては、次の事項を履行するものであること。
① 保険医療機関内の見やすい場所、例えば、受付窓口、待合室等に特別療養環境室の各々についてそのベッド数、特別療養環境室の場所及び料金を患者にとって分かりやすく掲示しておくこと。
② 特別療養環境室への入院を希望する患者に対しては、特別療養環境室の設備構造、料金等について明確かつ懇切丁寧に説明し、患者側の同意を確認のうえ入院させること。
③ この同意の確認は、料金等を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うものであること。なお、この文書は、当該保険医療機関が保存し、必要に応じ提示できるようにしておくこと。
(8) 患者に特別療養環境室に係る特別の料金を求めてはならない場合としては、具体的には以下の例が挙げられること。なお、③に掲げる「実質的に患者の選択によらない場合」に該当するか否かは、患者又は保険医療機関から事情を聴取した上で、適宜判断すること。
① 同意書による同意の確認を行っていない場合(当該同意書が、室料の記載がない、患者側の署名がない等内容が不十分である場合を含む。)
② 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合
(例)
・救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要とする者、又は常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする者
・免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれのある患者
・集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要のある終末期の患者
・後天性免疫不全症候群の病原体に感染している患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く。)
・クロイツフェルト・ヤコブ病の患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く。)
③ 病棟管理の必要性等から特別療養環境室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合
(例)
・MRSA等に感染している患者であって、主治医等が他の入院患者の院内感染を防止するため、実質的に患者の選択によらず入院させたと認められる者の場合。
・特別療養環境室以外の病室の病床が満床であるため、特別療養環境室に入院させた患者の場合。
なお、「治療上の必要」に該当しなくなった場合等上記②又は③に該当しなくなったときは、(6)及び(7)に示した趣旨に従い、患者の意に反して特別療養環境室への入院が続けられることがないよう改めて同意書により患者の意思を確認する等、その取扱いに十分に配慮すること。
(9) 患者が事実上特別の負担なしでは入院できないような運営を行う保険医療機関については、患者の受診の機会が妨げられるおそれがあり、保険医療機関の性格から当を得ないものと認められるので、保険医療機関の指定又は更新による再指定に当たっては、十分改善がなされた上で、これを行う等の措置も考慮すること。(3)に掲げる保険医療機関については、特に留意すること。
(10) 平成6年3月31日現在、従来の特別の病室として特別の料金を徴収している病室が(2)の②に掲げる要件を満たしていない場合は、当該病床を含む病棟の改築又は建替までは経過的に当該要件を課さないこととするが、早急に改善されるべきものであること。
(11) 保険医療機関は、特別の療養環境の提供に係る病床数、特別の料金等を定期的に地方厚生(支)局長に報告するとともに、当該事項を定め又は変更しようとする場合には、別紙様式1により地方厚生(支)局長にその都度報告するものとすること。
あらためて、差額ベッド代のルールを整理しておきたい。下に、厚労省保険局課長通知の抜粋を資料として載せておく。
【差額ベッド代の原則】
1 ベッド数の5割まで
保険医療機関の病床数の5割まで、妥当な範囲の差額ベッド代の負担を求めることを認める。
2 特別の負担にふさわしい療養環境
病室のベッド数4床以下、一人当り床面積6.4㎡以上、プライバシーが保護され、個人用収納庫や小机・椅子等の設備を有する場合に、差額ベッド代の徴収を認める。
3 患者への十分な説明に基づく、患者の自由な選択と同意
特別の療養環境の提供は、患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意に基づいて行われる必要があり、患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならない。
4 院内掲示と患者への説明と同意書
保険医療機関内の見やすい場所、例えば、受付窓口、待合室等に特別療養環境室の各々についてそのベッド数、特別療養環境室の場所及び料金を患者にとって分かりやすく掲示しなければならない。また、特別療養環境室への入院を希望する患者に対しては、特別療養環境室の設備構造、料金等について明確かつ懇切丁寧に説明し、患者側の同意を確認のうえ入院させなければならない。なお、この同意の確認は、料金等を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うこと。
5 差額ベッド代を請求できないケースの例示
① 同意書による同意の確認を行っていない場合
② 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合
③ 感染防止や差額ベッドのいらない病床が満床であるなど実質的に患者の選択によらない場合
ほかにも細かな取り決めがあるが、患者として知っておかなければならないのはこれで十分。今回の相談のケースでは、満床であることを理由に差額ベッド代の必要な病室に入院を余儀なくされたわけだから、差額ベッド代を請求できないケースの③に該当する。奥さんが署名した同意書には、差額ベッドの要らない病床が満床だからという記載があるわけではなく、差額ベッド代1日3,000円かかる病室への入院することを同意する旨の記載しかなく、説明し、納得し、同意書に署名したと主張されると反論は難しいのだろうなと思われた。
私が病院とお話しても良いですし、岡山県の医療安全センターに対応してもらうこともでできますよ、とお声掛けしたが、今回は1週間ほどで何とかなる範囲だからそこまでしなくてもいいということだった。奥さんは「次からは、気を付けて無駄な差額ベッド代を払わなくても済むようにしたい。」と言っていた。蛇足ながら、私は、差額ベッド代をもらっていない病院もあるんですよと、古巣の、岡山協立病院を紹介しておいた。全日本民主医療機関連合会(民医連)に加盟する病院は、差額ベッド代をもらっていない、庶民にとっては貴重な存在だ。
こんな場合の苦情相談窓口として、まちづくり研究所を活用していただければ良いのだが、岡山県でいえば岡山県医療安全支援センターがあり、次のような相談実施方針のもと、県民の苦情・相談に対応している。
(1)中立的な立場から患者・家族と医療関係者・医療機関との信頼関係を構築
(2)医療事故であるか否かや、責任の所在を判断するものではない
あくまで患者・家族及び医療機関の問題解決に中立的立場から助言する。
(3)ご相談の内容によってはより適した相談窓口を紹介。
(4)相談は匿名可。また、医療機関等へ連絡する際も相談者の了解を得て行う。
【岡山県医療安全センター】
相談受付日:月曜日から金曜日(国民の祝日及び休日、年末年始の休日を除く)
相談時間:8時30分から12時。 13時から17時15分
電話番号:086-226-7322
相 談 員:2名(看護職)
※その他にも各保健所に相談窓口を開設している。
また、岡山市、倉敷市はそれぞれ保健所の中に、医療相談窓口をもうけている。
【岡山市・倉敷市の医療相談窓口】
◆岡山市保健所 保健課
岡山市北区鹿田町1-1-1
電話:086-803-1254
◆倉敷市保健所 保健課
倉敷市笹沖170
電話:086-434-9812
--------------------------------------------------------
【資料】保医発0305第6号平成30年3月5日(抜粋)
i)入院医療に係る特別の療養環境の提供
(1) 療養環境の向上に対するニーズが高まりつつあることに対応して、患者の選択の機会を広げるために、(2)の要件を満たす病床について保険医療機関の病床(健康保険法(大正11年法律第70号)第63条第3項第1号の指定に係る病床(健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第26条の規定による改正前の介護保険法(平成9年法律第123号)第48条第1項第3号に規定する指定介護療養施設サービスを行う同法第8条第26項に規定する療養病床等を除く。)に限る。以下第3において同じ。)の数の5割まで患者に妥当な範囲の負担を求めることを認めることとしたものであること。
(2) 療養環境については、患者が特別の負担をする上でふさわしい療養環境である必要があり、次の①から④までの要件を充足するものでなければならないこと。
① 特別の療養環境に係る一の病室の病床数は4床以下であること。
② 病室の面積は1人当たり6.4平方メートル以上であること。
③ 病床ごとのプライバシーの確保を図るための設備を備えていること。
④ 特別の療養環境として適切な設備を有すること。
(3) (1)にかかわらず、厚生労働大臣が次に掲げる要件を満たすものとして承認した保険医療機関にあっては、当該承認に係る病床割合まで患者に妥当な範囲の負担を求めることを認めることとしたものであること。
① 当該保険医療機関の所在地を含む区域(医療法(昭和23年法律第205号)第30条の4第2項第10号に規定する区域をいう。)における療養病床(同法第7条第2項第4号に規定する療養病床をいう。)及び一般病床(同法第7条第2項第5号に規定する一般病床をい
う。)の数が、同法第30条の4第1項に規定する医療計画において定める当該区域の療養病床及び一般病床に係る基準病床数に既に達しており、かつ、特別の療養環境に係る病床数の当該保険医療機関の病床数に対する割合を増加しても患者が療養の給付を受けることに支障を来すおそれがないこと。
この場合においては、当該保険医療機関におけるこれまでの特別の病室の稼働の状況、特別の病室の申し込みの状況等を勘案し、当該保険医療機関の特別の病室を増加しても、患者が療養の給付を受けることに支障を来すおそれがないかどうか判断するものとすること。
② 経験を有する常勤の相談員により、特別の療養環境の提供に係る病室への入退室及び特別の料金等に関する相談体制が常時とられていること。
③ 必要に応じ、患者を適切かつ迅速に他の保険医療機関に紹介することができる等の他の保険医療機関との連携体制が整えられていること。
④ 当該保険医療機関における特別の療養環境の提供に係る病室のすべてについて、一の病室の病床数が2床以下であり、かつ、病室の面積及び設備については(2)の②から④までの要件を充足するものであること。
⑤ 算定告示別表第一医科診療報酬点数表(以下「医科点数表」という。)第1章第2部第1節又は別表第二歯科診療報酬点数表(以下「歯科点数表」という。)第1章第2部第1節に規定する7対1入院基本料及び10対1入院基本料、療養病棟入院基本料(特別入院基本料等を除く。)並びに有床診療所入院基本料1及び有床診療所入院基本料4を算定する保険医療機関であること。
⑥ 医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第19条第1項第1号及び第2号に定める医師及び歯科医師の員数を満たしていること。
⑦ 厚生労働大臣から当該承認を受ける前6月間において掲示事項等告示第3の基準に違反したことがなく、かつ現に違反していないこと。
(4) (3)の承認に係る病床割合については、次の事項を基準として設定すること。
① 医科点数表又は歯科点数表に掲げる療養環境加算、重症者等療養環境特別加算等を算定する病室として当該保険医療機関が届出を行っている病室における病床は、承認に係る病床から除外すること。
② 特定集中治療室、小児特定集中治療室、新生児特定集中治療室、母体・胎児集中治療室、一類感染症患者入院医療管理治療室等患者の治療上の必要があるために入院するものとして設けられている病室における病床は、承認に係る病床から除外すること。
③ 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院をいう。)、救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院等、「救急医療対策の整備事業について(昭和52年医発第692号)」に規定された保険医療機関等において救急患者のために設けられた専用病床等は、承認に係る病床から除外すること。
④ ①から③までのほか、当該保険医療機関におけるこれまでの特別療養環境室以外の病床への入院状況、特別療養環境室への入院希望の状況、救急患者の割合等を総合的に勘案し、特別療養環境室に係る病床以外の病床を一定割合確保すること。
(5) (1)及び(3)にかかわらず、特定機能病院以外の保険医療機関であって、国又は地方公共団体が開設するものにあっては、その公的性格等にかんがみ、国が開設するものにあっては病床数の2割以下、地方公共団体が開設するものにあっては病床数の3割以下としたこと。
(6) 特別の療養環境の提供は、患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意に基づいて行われる必要があり、患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならないこと。
(7) 特別療養環境室へ入院させた場合においては、次の事項を履行するものであること。
① 保険医療機関内の見やすい場所、例えば、受付窓口、待合室等に特別療養環境室の各々についてそのベッド数、特別療養環境室の場所及び料金を患者にとって分かりやすく掲示しておくこと。
② 特別療養環境室への入院を希望する患者に対しては、特別療養環境室の設備構造、料金等について明確かつ懇切丁寧に説明し、患者側の同意を確認のうえ入院させること。
③ この同意の確認は、料金等を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うものであること。なお、この文書は、当該保険医療機関が保存し、必要に応じ提示できるようにしておくこと。
(8) 患者に特別療養環境室に係る特別の料金を求めてはならない場合としては、具体的には以下の例が挙げられること。なお、③に掲げる「実質的に患者の選択によらない場合」に該当するか否かは、患者又は保険医療機関から事情を聴取した上で、適宜判断すること。
① 同意書による同意の確認を行っていない場合(当該同意書が、室料の記載がない、患者側の署名がない等内容が不十分である場合を含む。)
② 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合
(例)
・救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要とする者、又は常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする者
・免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれのある患者
・集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要のある終末期の患者
・後天性免疫不全症候群の病原体に感染している患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く。)
・クロイツフェルト・ヤコブ病の患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く。)
③ 病棟管理の必要性等から特別療養環境室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合
(例)
・MRSA等に感染している患者であって、主治医等が他の入院患者の院内感染を防止するため、実質的に患者の選択によらず入院させたと認められる者の場合。
・特別療養環境室以外の病室の病床が満床であるため、特別療養環境室に入院させた患者の場合。
なお、「治療上の必要」に該当しなくなった場合等上記②又は③に該当しなくなったときは、(6)及び(7)に示した趣旨に従い、患者の意に反して特別療養環境室への入院が続けられることがないよう改めて同意書により患者の意思を確認する等、その取扱いに十分に配慮すること。
(9) 患者が事実上特別の負担なしでは入院できないような運営を行う保険医療機関については、患者の受診の機会が妨げられるおそれがあり、保険医療機関の性格から当を得ないものと認められるので、保険医療機関の指定又は更新による再指定に当たっては、十分改善がなされた上で、これを行う等の措置も考慮すること。(3)に掲げる保険医療機関については、特に留意すること。
(10) 平成6年3月31日現在、従来の特別の病室として特別の料金を徴収している病室が(2)の②に掲げる要件を満たしていない場合は、当該病床を含む病棟の改築又は建替までは経過的に当該要件を課さないこととするが、早急に改善されるべきものであること。
(11) 保険医療機関は、特別の療養環境の提供に係る病床数、特別の料金等を定期的に地方厚生(支)局長に報告するとともに、当該事項を定め又は変更しようとする場合には、別紙様式1により地方厚生(支)局長にその都度報告するものとすること。
2018年5月21日月曜日
酒税法改正
私が、御前酒クラブ(御前酒のサポーター団体)の会長をしているので、お酒のことも聴かれることが多いのですが、先日、酒税法の改正でお酒の値段はあがるのか?という質問をされました。私、ビールの定義が変更になるということくらいしかチェックしてなくて、即答できなかったのです。これではいかんということで、あらためてどんな改正なのかを整理しておきたいと思います。
昨年改正された酒税法では、種類の品目等の定義が変更されました。そして、段階を負って施行されています。
◇2017年4月施行
(旧)連続式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)連続式蒸留焼酎
(旧)単式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)単式蒸留焼酎
※平仮名標記を常用漢字化しました。
◇2018年4月施行
① ビールの麦芽比率(ホップ及び水を除いた原料の重量中、麦芽が占める割合をいい
ます。)の下限が 100 分の 50 まで引き下げられるとともに、使用する麦芽の重量の 100分の5の範囲内で使用できる副原料として、果実(果実を乾燥させたもの、煮つめた
もの又は濃縮させた果汁を含みます。)及び香味料(コリアンダーなど一定の香味料)
が追加されました。
要するに、ビールの幅が広がりました。これにより従来発泡酒と標記されれることのあるベルギービールの一部がビールの仲間入りをします。
② 果実酒の範囲に「果実酒にオークチップを浸してその成分を浸出させたもの」が加
えられます。
③ ②の改正に伴い、ブランデーの定義が改正されます。
酒類の品目が変更になる酒類を整理すると下表のようになります。
肝心の酒税はどうなるかと言えば、下表のように段階的に整理されていきます。これをみると、現在、ビール、発泡酒、第三のビール、その他の発泡性酒類と細かく酒税が設定されていましたが、段階的に整理されて、2026年には一本化されます。この表では解りにくいので、350mlの缶ビール・発泡酒を例にとって説明すると、221円(消費税込み、コンビニエンスストアの標準価格)のビールに今までかかっていた酒税は77円。そして8%の消費税として16円がかかっていました。ビールの小売価格に占める税負担率は、約42.2%です。同じく164円の発泡酒の場合、酒税は47円。消費税は12円で税率負担は約36.1%。そして、143円の第3のビールは酒税が28円、消費税が11円で、税率負担は約27%です。酒税が一本化されると、発泡酒類の酒税55円程度に統一されます。すると、ビールは24円安くなり、発泡酒は8円高くなり、第三のビールは28円高くなるということになります。
◇2023年10月1日から改正されるもの
発泡酒の範囲に「ホップ又は一定の苦味料を原料の一部とした酒類」及び「香味、色沢その他の性状がビールに類似するもので苦味価及び色度の値が一定以上のもの」で発泡性を有するものが加えられます。この改正でいわゆる「新ジャンル」が発泡酒に分類されることになります。
◇2026年10月1日から改正されるもの
その他の発泡性酒類の範囲が「アルコール分が 11 度未満」(改正前は 10 度未満)に改正されます。
また、発泡性を有しない低アルコール分の蒸留酒類等に係る酒税の税率の特例についても改正され、2026年10月1日から、以下のとおり変更されます。
ということで、今回の改正で、ビールの酒税が下がり、ちょっと安くなりそうですが、庶民にとってありがたい存在だった、第三のビールの値段が大幅値上げとなります。少々辛い酒税の改定だといえそうです。
昨年改正された酒税法では、種類の品目等の定義が変更されました。そして、段階を負って施行されています。
◇2017年4月施行
(旧)連続式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)連続式蒸留焼酎
(旧)単式蒸留しょうちゅう ⇒ (新)単式蒸留焼酎
※平仮名標記を常用漢字化しました。
◇2018年4月施行
① ビールの麦芽比率(ホップ及び水を除いた原料の重量中、麦芽が占める割合をいい
ます。)の下限が 100 分の 50 まで引き下げられるとともに、使用する麦芽の重量の 100分の5の範囲内で使用できる副原料として、果実(果実を乾燥させたもの、煮つめた
もの又は濃縮させた果汁を含みます。)及び香味料(コリアンダーなど一定の香味料)
が追加されました。
![]() |
| 出典:国税庁ホームページ |
② 果実酒の範囲に「果実酒にオークチップを浸してその成分を浸出させたもの」が加
えられます。
③ ②の改正に伴い、ブランデーの定義が改正されます。
酒類の品目が変更になる酒類を整理すると下表のようになります。
![]() |
| 出典:国税庁 |
![]() |
| 出典:国税庁 |
発泡酒の範囲に「ホップ又は一定の苦味料を原料の一部とした酒類」及び「香味、色沢その他の性状がビールに類似するもので苦味価及び色度の値が一定以上のもの」で発泡性を有するものが加えられます。この改正でいわゆる「新ジャンル」が発泡酒に分類されることになります。
![]() |
| 出典:国税庁 |
その他の発泡性酒類の範囲が「アルコール分が 11 度未満」(改正前は 10 度未満)に改正されます。
また、発泡性を有しない低アルコール分の蒸留酒類等に係る酒税の税率の特例についても改正され、2026年10月1日から、以下のとおり変更されます。
![]() |
| 出典:国税庁 |
ということで、今回の改正で、ビールの酒税が下がり、ちょっと安くなりそうですが、庶民にとってありがたい存在だった、第三のビールの値段が大幅値上げとなります。少々辛い酒税の改定だといえそうです。
2018年5月16日水曜日
何でも相談
まちづくり研究所の重要な活動の一つに、暮しの困った何でも相談があります。高齢や国籍などを理由に銀行口座が開設できないとか、アパートの更新時期が来るのだけれど、高齢を理由に連帯保証人を用意しろと言われているが、一人暮らしで親族とも疎遠になっていて頼める人がいないとか、小さな畑があるのだけれど、足腰が弱って畑の面倒がみられなくなったとか、暮らしていくということはそういう困りごとに突然巻き込まれることでもあります。
そんな時に、一人で抱え込んであれこれ悩むのはやめませんか。まちづくり研究所の何でも相談は、そんな突然目の前に表れた困りごとに対して一緒に解決策を考えていこうという活動です。まちづくり研究所は、そういう一つひとつの問題を集めて、同じような問題で困る人を無くすためにどうしたらいいかを考え、まちづくりの政策課題として行政に働きかけ、きめの細かいセーフティーネットをつくろうと考えています。
無料相談ですので、お気軽に活用してください。ただし、解決策を具体化していく中で、何かを買うとか、人の力を借りるとかということになった場合には、お金が必要となる場合がありますので、ご理解いただきたいと思います。
まちづくり研究所の活動は、会員・賛助会員の会費と、寄付金で運営しています。興味のある方は、是非ともまちづくり研究所の会員になってください。そして、寄付金はいつでも大歓迎です。
2018年5月14日月曜日
原発ゼロ法案
1.パリ協定 ~ 世界は自然エネルギー100%が目標!
パリ協定では、次のような世界共通の長期目標を掲げています。
◇ 世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
◇ そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる
パリ協定は、この目標達成のために、各国に対しては「自主的な削減目標を国連に出すこと」と「達成のため、削減に向けた国内の対策を取ること」を義務づけています。平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を求められていますが、この目標を達成するためには、ほとんどの化石燃料を燃やすことはできないと言われるほど厳しい内容を含んでいます。
にも関わらず日本政府は原発再稼働にこだわり、政府主導で原発輸出めざすなど、世界の潮流に逆行する動きを見せています。
実際に世界では再生可能エネルギーへの転換がかなりの速度で進んでいる状況が報告されました。
2016年は自然エネルギー発電設備の新規導入量で新たな記録が生まれました。新規導入量は161GW(1億6100万kW)に達し、世界全体の自然エネルギーの累積の発電設備容量は2015年末から約9%増加し、2,017GW(20億1700万kW)近くに達しています。太陽光発電は約47%も設備容量が増加し、風力発電は34%、水力発電は15.5%設備容量が増加して後に続きました。
2.自然エネルギーは発電コストも安い
自然エネルギーは最も発電コストが安い選択肢となってきています。デンマーク、エジプト、メキシコ、ペルー、アラブ首長国連邦での最近の買電契約では、自然エネルギーによる電気はキロワット時あたり5セント米ドル(約5.6円)以下で調達されています。これは各国での化石燃料や原子力の発電コストより充分に安くなっています。ドイツでの最近の2つの洋上風力プロジェクトが入札で落札されましたが、発電事業者は政府支援(訳注:補助金)を必要としない電気の卸売価格のみで応札しており、自然エネルギーが最も発電コストの安い選択肢となりえることを示しています。
日本でも、事故コストを入れた原子力発電の発電コストが13.3円なのに対し、火力発電のコストは9.9円、水力発電のコストは3.9円となっています。
3.原子力発電は大きな出力を得られるというメリットがありますが、事故対応の社会的コストや使用済み核燃料の処分のめどが立たないなど、そもそも原発を動かし続けることに無理があります。
CO2の排出がないクリーンなエネルギーだというけれど、東京電力福一原発事故で私たちは放射性物質による環境破壊を目の当たりにして、放射能汚染により汚染地域で人は暮せないし、避難生活を支える社会的コストなどを含めればはるかに大きなデメリットがあることを学びました。
使用済み核燃料などの最終処分のめどが立たず、危険な核のゴミが原子力発電所に蓄積されています。地層処分を提起していますが、住民説明会に電力会社がバイト代を払って参加者を動員するなどの不正も発覚しています。
4.原発ゼロしか選択肢はない。
原発ゼロ法案で提起されていることを整理すると次のようなことになります。
◇省エネの徹底でそもそも電力の使用量を抑える。
◇再生可能エネルギーの最大限の導入
◇原発については
・新増設・リプレースは認めない
・40年の稼働で廃炉
・核燃料サイクルは中止
・原発・関連施設立地地域への支援
・廃炉への支援・電力会社への損失補填
早期に原発ゼロ基本法案が成立することを期待すると同時に、私も法案成立を応援したいと思います。
私は、電力の地産地消を提起したいと思います。日本はどこに行っても川が流れる豊かな水の国です。各地にある水の流れをうまく活用した、小規模水力発電の普及に取り組みたいと思っています。何といっても町内の川の流れを活用するわけですから、送電ロスは限りなく小さく抑えられるし、水の流れでタービンを回すだけですから、一度設置すればそう簡単に壊れるものではありません。台風や大雨での増水を気にする必要がありますが、小規模水力発電所ですから被害をおさえる仕組みはそう難しくないように思います。もちろん、その他にも屋根は全部太陽光パネルにして、すべの住宅が太陽光発電所になるなどというのも良いアイデアだと思います。
各町内会といったレベルで協同組合を作り、その協同組合が太陽光発電や水力発電所を所有して発電するわけです。そして、町内会でつくった電気を町内みんなで使うというようなことができれば、もう原発に頼らなくたって良いってことになるわけです。そんなことを思い描きながら学習会に参加してきました。
資料:原発ゼロ基本法案
立憲民主、共産、自由、社民の4党と無所属の会の2名が3月9日、衆院に共同提出した「原発ゼロ基本法案(原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案)」の全文を起こしました。
======================================
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案
目 次
前 文
第一章 総則( 第1条 第7条)
第二章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の目標(第8条)
第三章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の基本方針( 第9条 第12条)
第四章 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画(第13条)
第五章 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部(第14条 第23)
第六章 雑則(第24条・第25条)
附 則
我が国は、今次の大戦において、原子爆弾の投下により未曽有の惨禍を被ったが、昭和30年の原子力基本法の制定以来、原子力の平和的利用の名の下に原子力発電を推進してきた。原子力発電には、安全性の問題のみならず、使用済燃料及び放射性廃棄物の処分方法、労働者の被ばくの危険性等の問題がある。それにもかかわらず、発電に要する経費が安価である、二酸化炭素を排出しない、核燃料サイクルによりエネルギーを無限に得られる等の主張は、原子力発電に関する諸問題から国民の目をそらし、殊更に強調された原子力発電の安全性は、日本の原子力発電所で事故は発生しないとの安全神話を生み出した。
しかし、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故は、原子力発電に依存する経済社会の構造に抜本的な改革を迫るものとなった。当該事故による原子力災害により多数の住民が避難を余儀なくされ、放射性物質による汚染に起因して住民の健康上の不安も生じている。今や安全神話は崩壊し、原子力発電は計り知れないほど重大な危険を伴うものであるとの認識が広がっている。
こうした現実に直面した今日、我々には、これまでの国の原子力政策が誤りであったことを認め、これに協力して日本の経済社会を支えてきた地域の経済の発展を促進しつつ、全ての実用発電用原子炉等を速やかに停止し、及び計画的かつ効率的に廃止するとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギー電気の供給量の増加によりエネルギーの需給構造を転換し、持続可能な社会を実現する責務がある。
原発廃止・エネルギー転換の実現は、未来への希望である。原発廃止・エネルギー転換を実現することにより、環境と調和のとれた新しい経済社会を創造するとともに、そのために創出される新 技術を通じて原子力発電所のない世界の実現に貢献することができる。さらに、原発廃止・エネルギー転換の実現による脱炭素化の促進は、地球規模の緊要な課題である気候変動の問題の解決に資するものとなる。
ここに、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。
第 1 章 総 則
(目 的)
第1条
この法律は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の策定等について定めるとともに、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部を設置することにより、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(定 義)
第2条
この法律において「原発廃止・エネルギー転換」とは、全ての実用発電用原子炉等が廃止されるとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギー電気の供給量の増加によりエネルギーの需給構造が転換されることをいう。
この法律において「実用発電用原子炉等」とは、実用発電用原子炉(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第43条の4第一項に規定する実用発電用原子炉をいう。第4条第二項及び第9条第二項第二号において同じ。)及び高速増殖炉(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法(平成16年法律第155号)第2条第五項に規定する高速増殖炉をいう。)をいう。
この法律において「再生可能エネルギー電気」とは、再生可能エネルギー源(太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものをいう。以下同じ。)を変換して得られる電気をいう。
(基本理念)
第3条
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。
一 電気の安定供給の確保を図りつつ、全ての実用発電用原子炉等の運転を速やかに停止し、及び全ての実用発電用原子炉等を計画的かつ効率的に廃止すること。
二 エネルギーの使用の合理化等により、電気の需要量を削減すること。
三 自然環境及び生活環境の保全に配慮しつつ、再生可能エネルギー電気の供給量を増加させること。
(国の責務)
第4条
国は、前条の基本理念(次条において単に「基本理念」という。)にのっとり、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進する責務を有する。
2 国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に当たって生じ得る実用発電用原子炉を設置している電気事業者(電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第一項第十七号に規定する電気事業者をいう。以下同じ。)等の損失に適切に対処する責務を有する。
3 国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するに当たっては、原子力発電所等の周辺の地域の経済に及ぼす影響に十分に配慮しなければならない。
(地方共団体及び電気事業者等の責務)
第5条
地方公共団体及び電気事業者等は、基本理念にのっとり、国による原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進に協力する責務を有する。
(法制上の措置等)
第6条
政府は、第3章に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上、財政上、税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない。この場合において、第9条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上の措置については、この法律の施行後2年以内を目途として講ずるものとする。
(年次報告)
第7条
政府は、毎年、国会に、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関する施策の実施の状況に関する報告書を提出しなければならない。
第 2 章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の目標
第8条
政府は、この法律の施行後五年以内に、全ての実用発電用原子炉等の運転が廃止されることを目標とするものとする。
2 政府は、一年間における電気の需要量について、平成42年までに平成22年の一年間における電気の需要量からその百分の三十に相当する量以上を減少させることを目標とするものとする。
3 政府は、一年間における電気の供給量に占める再生可能エネルギー電気の供給量の割合について、平成42年までに百分の四十以上とすることを目標とするものとする。
第 3 章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の基本方針
(全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止)
第9条
政府は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ、実用発電用原子炉等の廃止並びに使用済燃料及び放射性廃棄物の管理及び処分に関する国の関与の在り方その他の全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止のための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じなければならない。
2 政府は、全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止を推進するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 原子力災害対策(原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)第6条の二第一項に規定する原子力災害対策をいう。)を重点的に実施すべき区域の住民の安全を確保するものとすること。
二 実用発電用原子炉を運転することができる期間の延長を認めないものとすること。
三 実用発電用原子炉等の設置の許可及び増設を伴う変更の許可を新たに与えないものとすること。
四 使用済燃料及び放射性廃棄物の管理及び処分は適正な方法によるものとし、使用済燃料の再処理は行わないものとすること。
五 実用発電用原子炉等を廃止し、又は使用済燃料の再処理の事業を廃止しようとする者に対し、必要な支援を行うものとすること。
六 電気のエネルギー源について、再生可能エネルギー源、可燃性天然ガス等の原子力以外のエネルギー源の利用への転換を図るものとすること。
七 新たな産業の創出、電気事業者の事業の継続等により、原子力発電所等の周辺の地域の経済の振興及び雇用の確保を図るものとすること。
(電気の需要量の削減)
第10条
政府は、電気の需要量を削減するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 国等によるその設置する施設におけるエネルギーの使用の合理化を推進するものとすること。
二 事業者によるエネルギーの使用の合理化の円滑な実施を促進するものとすること。
三 建築物のエネルギー消費性能の更なる向上を図るものとすること。
四 熱についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源及び廃熱の利用を促進するものとすること。
五 国内の地域に存するエネルギー源から得られ、又は製造されたエネルギーのその地域における利用を促進するものとすること。
(再生可能エネルギー電気の供給量の増加)
第11条
政府は、再生可能エネルギー電気の供給量を増加させるため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 国等によるその設置する施設における再生可能エネルギー電気の利用を推進するものとすること。
二 電気についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源の利用を促進するものとすること。
三 送電に係る事業と配電に係る事業の分離、電力系統の適正化等により再生可能エネルギー電気の供給を促進するものとすること。
四 地域の住民又は小規模の事業者の再生可能エネルギー電気の利用又は供給に係る自発的な協同組織の発達を図るものとすること。
(研究開発の推進等)
第12条
政府は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するため、実用発電用原子炉等の廃止及び再生可能エネルギー源の利用に関する研究開発その他の先端的な研究開発の推進並びにその成果の普及、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとする。
第 4 章 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画
第13条
原発廃止・エネルギー転換改革推進本部は、この法律の施行後一年を目途として、前章に定める基本方針に基づき、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進に関する計画(以下この条及び第十五条第一号において「原発廃止・エネルギー転換改革推進計画」という。)を定めなければならない。
2 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止に関する事項
二 電気の需要量の削減に関する事項
三 再生可能エネルギー電気の供給量の増加に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進のために講ずべき措置その他の必要な事項
3 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部は、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を定めたときは、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による報告があったときは、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の変更について準用する。
第 5 章 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部
(設置)
第14条
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部(以下「本部」という。)を置く。
(所掌事務)
第15条
本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を策定し、及びその実施を推進すること。
二 前号に掲げるもののほか、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関する施策であって基本的かつ総合的なものの企画に関して審議し、及びその施策の実施を推進すること。
(組織)
第16条
本部は、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長、原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長及び原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員をもって組織する。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長)
第17条
本部の長は、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。
2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長)
第18条
本部に、原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長(次項及び次条第二項において「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。
2 副本部長は、本部長の職務を助ける。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員)
第19条
本部に、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員(次項において「本部員」という。)を置く。
2 本部員は、本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。
(資料の提出その他の協力)
第20条
本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成11年法律第91号)第4条第一項第九号の規定の適用を受けるものをいう。)、認可法人(特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人をいう。)及び電気事業者の代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明その他の必要な協力を求めることができる。
2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
(事務局)
第21条
本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。
2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。
3 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。
(主任の大臣)
第22条
本部に係る事項については、内閣法(昭和22年法律第5号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
(政令への委任)
第23条
この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。
第 6 章 雑 則
(原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進を担う組織の在り方に関する検討)
第24条
政府は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進を担う組織(本部を除く。)の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとする。
(国民の理解を深める等のための措置)
第25条
政府は、教育活動、広報活動等を通じて、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、国民の理解を深めるとともに、国民の協力を求めるよう努めなければならない。
附則
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第四章及び第五章の規定は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
理由
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の策定等について定めるとともに、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部を設置することにより、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
======================================
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案
目 次
前 文
第一章 総則( 第1条 第7条)
第二章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の目標(第8条)
第三章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の基本方針( 第9条 第12条)
第四章 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画(第13条)
第五章 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部(第14条 第23)
第六章 雑則(第24条・第25条)
附 則
我が国は、今次の大戦において、原子爆弾の投下により未曽有の惨禍を被ったが、昭和30年の原子力基本法の制定以来、原子力の平和的利用の名の下に原子力発電を推進してきた。原子力発電には、安全性の問題のみならず、使用済燃料及び放射性廃棄物の処分方法、労働者の被ばくの危険性等の問題がある。それにもかかわらず、発電に要する経費が安価である、二酸化炭素を排出しない、核燃料サイクルによりエネルギーを無限に得られる等の主張は、原子力発電に関する諸問題から国民の目をそらし、殊更に強調された原子力発電の安全性は、日本の原子力発電所で事故は発生しないとの安全神話を生み出した。
しかし、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故は、原子力発電に依存する経済社会の構造に抜本的な改革を迫るものとなった。当該事故による原子力災害により多数の住民が避難を余儀なくされ、放射性物質による汚染に起因して住民の健康上の不安も生じている。今や安全神話は崩壊し、原子力発電は計り知れないほど重大な危険を伴うものであるとの認識が広がっている。
こうした現実に直面した今日、我々には、これまでの国の原子力政策が誤りであったことを認め、これに協力して日本の経済社会を支えてきた地域の経済の発展を促進しつつ、全ての実用発電用原子炉等を速やかに停止し、及び計画的かつ効率的に廃止するとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギー電気の供給量の増加によりエネルギーの需給構造を転換し、持続可能な社会を実現する責務がある。
原発廃止・エネルギー転換の実現は、未来への希望である。原発廃止・エネルギー転換を実現することにより、環境と調和のとれた新しい経済社会を創造するとともに、そのために創出される新 技術を通じて原子力発電所のない世界の実現に貢献することができる。さらに、原発廃止・エネルギー転換の実現による脱炭素化の促進は、地球規模の緊要な課題である気候変動の問題の解決に資するものとなる。
ここに、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。
第 1 章 総 則
(目 的)
第1条
この法律は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の策定等について定めるとともに、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部を設置することにより、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(定 義)
第2条
この法律において「原発廃止・エネルギー転換」とは、全ての実用発電用原子炉等が廃止されるとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギー電気の供給量の増加によりエネルギーの需給構造が転換されることをいう。
この法律において「実用発電用原子炉等」とは、実用発電用原子炉(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第43条の4第一項に規定する実用発電用原子炉をいう。第4条第二項及び第9条第二項第二号において同じ。)及び高速増殖炉(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法(平成16年法律第155号)第2条第五項に規定する高速増殖炉をいう。)をいう。
この法律において「再生可能エネルギー電気」とは、再生可能エネルギー源(太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものをいう。以下同じ。)を変換して得られる電気をいう。
(基本理念)
第3条
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。
一 電気の安定供給の確保を図りつつ、全ての実用発電用原子炉等の運転を速やかに停止し、及び全ての実用発電用原子炉等を計画的かつ効率的に廃止すること。
二 エネルギーの使用の合理化等により、電気の需要量を削減すること。
三 自然環境及び生活環境の保全に配慮しつつ、再生可能エネルギー電気の供給量を増加させること。
(国の責務)
第4条
国は、前条の基本理念(次条において単に「基本理念」という。)にのっとり、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進する責務を有する。
2 国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に当たって生じ得る実用発電用原子炉を設置している電気事業者(電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第一項第十七号に規定する電気事業者をいう。以下同じ。)等の損失に適切に対処する責務を有する。
3 国は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するに当たっては、原子力発電所等の周辺の地域の経済に及ぼす影響に十分に配慮しなければならない。
(地方共団体及び電気事業者等の責務)
第5条
地方公共団体及び電気事業者等は、基本理念にのっとり、国による原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進に協力する責務を有する。
(法制上の措置等)
第6条
政府は、第3章に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上、財政上、税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない。この場合において、第9条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上の措置については、この法律の施行後2年以内を目途として講ずるものとする。
(年次報告)
第7条
政府は、毎年、国会に、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関する施策の実施の状況に関する報告書を提出しなければならない。
第 2 章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の目標
第8条
政府は、この法律の施行後五年以内に、全ての実用発電用原子炉等の運転が廃止されることを目標とするものとする。
2 政府は、一年間における電気の需要量について、平成42年までに平成22年の一年間における電気の需要量からその百分の三十に相当する量以上を減少させることを目標とするものとする。
3 政府は、一年間における電気の供給量に占める再生可能エネルギー電気の供給量の割合について、平成42年までに百分の四十以上とすることを目標とするものとする。
第 3 章 原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の基本方針
(全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止)
第9条
政府は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ、実用発電用原子炉等の廃止並びに使用済燃料及び放射性廃棄物の管理及び処分に関する国の関与の在り方その他の全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止のための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じなければならない。
2 政府は、全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止を推進するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 原子力災害対策(原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)第6条の二第一項に規定する原子力災害対策をいう。)を重点的に実施すべき区域の住民の安全を確保するものとすること。
二 実用発電用原子炉を運転することができる期間の延長を認めないものとすること。
三 実用発電用原子炉等の設置の許可及び増設を伴う変更の許可を新たに与えないものとすること。
四 使用済燃料及び放射性廃棄物の管理及び処分は適正な方法によるものとし、使用済燃料の再処理は行わないものとすること。
五 実用発電用原子炉等を廃止し、又は使用済燃料の再処理の事業を廃止しようとする者に対し、必要な支援を行うものとすること。
六 電気のエネルギー源について、再生可能エネルギー源、可燃性天然ガス等の原子力以外のエネルギー源の利用への転換を図るものとすること。
七 新たな産業の創出、電気事業者の事業の継続等により、原子力発電所等の周辺の地域の経済の振興及び雇用の確保を図るものとすること。
(電気の需要量の削減)
第10条
政府は、電気の需要量を削減するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 国等によるその設置する施設におけるエネルギーの使用の合理化を推進するものとすること。
二 事業者によるエネルギーの使用の合理化の円滑な実施を促進するものとすること。
三 建築物のエネルギー消費性能の更なる向上を図るものとすること。
四 熱についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源及び廃熱の利用を促進するものとすること。
五 国内の地域に存するエネルギー源から得られ、又は製造されたエネルギーのその地域における利用を促進するものとすること。
(再生可能エネルギー電気の供給量の増加)
第11条
政府は、再生可能エネルギー電気の供給量を増加させるため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 国等によるその設置する施設における再生可能エネルギー電気の利用を推進するものとすること。
二 電気についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源の利用を促進するものとすること。
三 送電に係る事業と配電に係る事業の分離、電力系統の適正化等により再生可能エネルギー電気の供給を促進するものとすること。
四 地域の住民又は小規模の事業者の再生可能エネルギー電気の利用又は供給に係る自発的な協同組織の発達を図るものとすること。
(研究開発の推進等)
第12条
政府は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を推進するため、実用発電用原子炉等の廃止及び再生可能エネルギー源の利用に関する研究開発その他の先端的な研究開発の推進並びにその成果の普及、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとする。
第 4 章 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画
第13条
原発廃止・エネルギー転換改革推進本部は、この法律の施行後一年を目途として、前章に定める基本方針に基づき、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進に関する計画(以下この条及び第十五条第一号において「原発廃止・エネルギー転換改革推進計画」という。)を定めなければならない。
2 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止に関する事項
二 電気の需要量の削減に関する事項
三 再生可能エネルギー電気の供給量の増加に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進のために講ずべき措置その他の必要な事項
3 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部は、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を定めたときは、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による報告があったときは、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の変更について準用する。
第 5 章 原発廃止・エネルギー転換改革推進本部
(設置)
第14条
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部(以下「本部」という。)を置く。
(所掌事務)
第15条
本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 原発廃止・エネルギー転換改革推進計画を策定し、及びその実施を推進すること。
二 前号に掲げるもののほか、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関する施策であって基本的かつ総合的なものの企画に関して審議し、及びその施策の実施を推進すること。
(組織)
第16条
本部は、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長、原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長及び原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員をもって組織する。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長)
第17条
本部の長は、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。
2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長)
第18条
本部に、原発廃止・エネルギー転換改革推進副本部長(次項及び次条第二項において「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。
2 副本部長は、本部長の職務を助ける。
(原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員)
第19条
本部に、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部員(次項において「本部員」という。)を置く。
2 本部員は、本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。
(資料の提出その他の協力)
第20条
本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成11年法律第91号)第4条第一項第九号の規定の適用を受けるものをいう。)、認可法人(特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人をいう。)及び電気事業者の代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明その他の必要な協力を求めることができる。
2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
(事務局)
第21条
本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。
2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。
3 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。
(主任の大臣)
第22条
本部に係る事項については、内閣法(昭和22年法律第5号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
(政令への委任)
第23条
この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。
第 6 章 雑 則
(原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進を担う組織の在り方に関する検討)
第24条
政府は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革の推進を担う組織(本部を除く。)の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとする。
(国民の理解を深める等のための措置)
第25条
政府は、教育活動、広報活動等を通じて、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、国民の理解を深めるとともに、国民の協力を求めるよう努めなければならない。
附則
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第四章及び第五章の規定は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
理由
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革に関し、基本的な理念及び方針を定め、国等の責務を明らかにし、並びに原発廃止・エネルギー転換改革推進計画の策定等について定めるとともに、原発廃止・エネルギー転換改革推進本部を設置することにより、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
登録:
投稿 (Atom)






